NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「デス・スピード」(45点/オカルト)

イメージ 1

■■■「デス・スピード」■■■
(45点/オカルト)

 プロのレーサーであるJJは、親友でありライバルでもあったカッターをレース中の事故で死なせてしまった事から、レーサーを引退し長距離トラックの運転手として生活を続けていた。

 事故から17年後のある日、仕事の途中で故郷の町へと立ち寄った彼は、整備士であるカッターの兄がかつての弟のレースカーを修理し復元している事を知る。

 しかし、そのレースカーがロールアウトされた直後から、レースカーの周辺で奇妙な変死事件が次々と起こり始め、JJは車に『カーターの怨念』が憑りついているのではないかと疑うようになるが…



 レーサーの怨念の憑りついたレースカーが殺人カーとなって人を殺して回るという、オカルトホラー映画。

 車に幽霊やら悪魔やらが憑りついて人を殺しまくるってネタは「ザ・カー」とか「クリスティーン」とかホラーでは時々使われるアイデアですが、本作もそういった系列の作品ですね。

 アイデア事態は『手垢が付いた』というほどメジャーじゃない系統の作品ですし、怨霊が『かつてのライバルであるレーサーと対決する』って設定とか面白い要素もあるのですが、元々がTV映画向けに作られた作品のようで全体的に『小ぢんまりとした地味な印象』を受ける作品です。

 殺人カーの殺害方法やらなかなか面白くて、単純に人を轢き殺すだけじゃなくてパワーウィンドウで人の首を切断したり、シートベルトで絞め殺したり、挙句にワイパーからトゲが飛び出して犠牲者を切り刻んだりと、『どこの悪魔版・マッハGOGOGOだよ?』って感じのムチャぶりは笑えます。

 ただ殺害方法のバリエーションの面白さの割には、殺害シーンの描き方がやたらと淡白でどうにも盛り上がりに欠けるんですよね。

 湖に沈められたあと水陸両用のボンドカーよろしく湖の中から戻ってきたりと、殺人カーの『執念深さ』を描いている演出もあるんですが、こちらもどうにもビジュアル的なインパクトが薄いんですよね。
 もっと、「クリスティーン」みたく『ボコボコに壊されても自力で復元する』ぐらいのインパクトが欲しかった…

 怨霊の正体が『レーサーである主人公のかつてのライバル』って設定も良い感じなのですが、事件の解決には結局この設定が殆ど活かされておらず、どうにも残念な印象。
 レーサー同士なんだから『レースで決着を付けて止めを刺す』とかにすれば、熱い展開で面白かったと思うんだけどなぁ。

 どうして、その辺を脚本に活かそうと思わなかったのか…

 あとTV放映された際のCMのシーン毎に、物凄くブツギリ感がある作りになっているのも、作品にイマイチ入り込めない原因かも?


 総評としましては、部分部分のアイデアや設定は結構良さげな印象を受けるんですが、蓋を開けてみれば全体的に『どうにも微妙な作品』としか言いようのない映画でした。

 まあ、『微妙』ってだけで『壊滅的にツマんない』って程じゃないので、『殺人カー』ってネタが大好きで気になっているのであれば、とりあえずチェックしておいても後悔する程の作品では無いんじゃないかと思います。

 レンタル前に見た『予告編だけは物凄く面白そう』だっただけに、何とも残念な一本でした。
 (つか、アルバトロス系列の映画では良くある事ですけどね…(笑))