NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想(?):「屍病汚染 DEAD RISING」(35点/ホラー)

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CAPCOM:映画「屍病汚染 DEAD RISING」公式サイト
http://www.capcom.co.jp/movie/deadrising/


 CAPCOMから発売されるデッドライジング2」のプロモーション映画である「屍病汚染」が最終話まで公開されましたね。

 とりあえずXbox360マケプレでダウンロードして1話から通して観てみましたが、感想として『お約束なツッコミ』を入れさせて貰うならば…

 『どんな判断だ、金をドブに捨てる気か!!』

 って感じの作品ですな。(笑)


 まあ、映画としては門外漢である『ゲームプロデューサーの稲船氏が撮ってる』って事で出来に関しては期待してなかった訳ですが、内容に関しては推して知るべしってレベル。

 ストーリーとしては、『ゾンビの蔓延しつつある日本で避難所に逃げ込もうとした兄弟が避難所から追い出されて路頭に迷っているところを、サイコどもに絡まれて酷い目にあう』みたいな感じのお話なのですが…

 なんというか、とにかく『序盤が盛り上がらなさ過ぎ』なのが辛いですね。

 1話5分程度のショートストーリーのせいで、ブツ切り感が物凄く強いですし、序盤の『時間軸を前後させる演出』とか単に分かり辛いだけなので不要だと思います。

 『FPS風の視点』もあまり効果的に使われておらず、POV風な作りにしたかったのかもしれないですが、「ブレアウィッチ」みたいなカメラ視点ならともかく一般的な視聴者が『車椅子に乗った主人公の視点』という設定に共感が持てる訳も無いので、正直言って微妙ですし…

 中盤になって登場するヒロインもキャラが弱くて『強い女性』という姿が描ききれて無いですし、お話への絡み方もちょっと唐突過ぎる印象。(まあ、その辺は尺の都合もあるのでしょうが…)


 ストーリーにしても、6話以降の悪ノリ具合いかにも『B級ホラー』しててなかなか面白いのですが、前半の展開が単に『退屈なだけ』なのであまりカタルシスが得られないのが辛いです。

 せめて、序盤でもう少し『サイコ』の凶悪さが強調して描かれてるか、もっと悪ノリしてる部分が多ければ…とも思うのですが、看護士のエピソードとかで尺を割いてしまったせいでサイコの影が薄くなってしまい、ちょっとグテグテになってしまった印象ですね。
 この構成じゃあ、下手すれば『6~7話の面白くなる部分を観る前に切ってしまう』って人も多そうなので、もうちょっと配信の形式に合わせて構成を考えた方が良かったかも?

 ラストの展開に関しても、最終話とか『引っ張っておいて、そんなアッサリしたオチかよ?』って感じでしたし、もうちょっと上手い落としどころがあったんじゃないかなぁ…


 あと、『ゲームの映像化作品』として個人的に気になった部分としては、『ゲームのプロモーション』として撮りたいのか『普通にホラー映像作品』として撮りたいのかが判然としなかった事かなぁ?

 一応、『本編の設定を補足する程度の内容』にはなっているとは思うのですが、プロモーションとしては弱い印象ですし…

 もっと「Halo3:ODST」や「Halo:Reach」のPVとかみたいに、観るだけで『ゲームをやってみたい!』と思うような『プロモーションとしてシッカリしたもの』だと良かったと思うんですが、まあアチラとは制作費が桁違いだと思うので流石にソレは高望みですか?


 とまあ、色々とツッコミを入れてしまいましたが…

 元々こんな作品に期待する方が無理があるのは分かりきっている事ですし、意外にも『Vシネマ』レベル程度の『観れる作品』に仕上がっている事を考えると、映画に造詣が無い人間が撮った作品としては『なかなか頑張っている』と言っても良いレベルかと思います。
 (低予算のJホラーとか、コレよりも酷い作品は多いですし。)

 ただ、むしろ『中途半端に観れるレベル』に仕上がってしまっているのでインパクトが弱くなってしまった』という、逆の意味で『ちょっと残念な出来になってしまっている』というのが、なんとも皮肉な部分かも?

 いっそ物凄くクソな出来ならば、色々と話題になってゲームの良い宣伝にもなってただろうに…(笑)


 しかし、ナムコの中村氏しかりFFの坂口氏しかり、ゲームのプロデューサーってのは何故にメジャーになると映画を撮りたがるんですかねぇ?

 稲船氏も筋は悪く無いとは思うのですが、どちらかというとゲームのプロデュースにシッカリと注力して貰いたいところです。

 でもまあ、ゲーム本編の「デッドライジング2」自体は、「CASE 0」を遊んだ感じではなかなか良く出来てそうなので買わせていただきたいと思いますよ。

 (『8本も配信したムービー』よりも『1本の体験版』の方が、ゲームの面白さを伝えるには説得力があるよなぁ。)

 ちなみに映画の方は、トップのリンク先のHPでもストリーム形式で観ることが出来るので、興味のある方はネタの為に観てみられてはいかがでしょうか…