■■■「スタローン in ハリウッド・トラブル」■■■
(55点/コメディ)
インド出身のスタントマンのヴィラージは、ハリウッドでアクション映画に数多く出演し仲間内でも色男としてもてはやされていた。
しかしある日、彼の弟が突然結婚する事となった事を知り、結婚に良い印象を持たない彼は結婚に猛反対。
また医師でキャリアウーマンである花嫁の姉のベボも、一族でスタントマンを行うような乱暴物のヴィラージの家族との結婚に猛反対し、両者は非常に険悪なムードとなってしまう。
まさに犬猿の仲の状態で、顔を合わせる度に反発しあうようになるヴィラージとベボだったが、ある事件をきっかけに2人の中は急接近して行き…
色男のスタントマンとエリート志向の女医との恋愛を描いた、インド製のドタバタ風アクションラブコメ映画。
シルベスター・スタローンやデニース・リチャーズといった大物俳優がカメオ出演している作品で、タイトルだけ見るといかにもスタローンが主役の作品のように思えますが、実際にはスタローンが出演しているのは2時間強ある全編のうち5分程度。
まあ流石に、インド製の映画にスタローンが主役で出演する訳は無いんですけどね…
お話の内容は、インド映画ながらもハリウッドを舞台にしたアクションコメディって感じの作品ですが、ハリウッドだけじゃなくイタリアで撮影したカットがあったり、アクションシーンもそれなりに気合が入ってたりして、結構お金がかかってそうな辺りインドでは大作級のタイトルなのかも?
ちなみにスタローンの出番は物凄くチョイ役ですが、物凄く短い時間の割にはオイシイところを一人でカッさらって行くような立ち位置なので、製作スタッフがスタローンのファンか何かなんでしょうかね?
いかにもインド映画らしく、ストーリーの途中で唐突にミュージカルになったりして登場人物たちが歌って踊るシーンも楽しいですし、シーンの繋ぎやカットのテンポが非常に良くて観てて退屈しないのは良いですね。
ただハリウッドを舞台にしたミュージカルのため、「ムトゥ」のようなインパクトがある訳でもなく、ストーリー的にもあそこまで破天荒なお話でも無いので、どうにも全体的に『普通のミュージカル風コメディ映画』になってしまっている印象。
製作者はハリウッドメジャー的なノリを目指したのかもしれませんが、どうにも設定やセンスやストーリーが古臭くて『20年ぐらい前のラブコメ映画』を見せられているような印象で、ハリウッド映画と比べると予算の少なさもあって『陳腐さ』を感じさせられるのも辛い部分ですね。
(ラストの展開にしても『え、お前らいつの間にそんなに親しくなってたの?』って感じで、ちょっと唐突ですし…)
同じ予算をかけるなら、もっと『インドらしさ』を全面に押し出した作りになってれば、個性的で面白い作品になったかもしれないので、ちょっと勿体無さを感じました。
総評としましては、ツマんなくは無いんだけど『古臭い印象は否めない感じのB級コメディ映画』って感じの作品です。
インド映画という所で独特のセンスやテイストはありますが、「ムトゥ」とかみたいな突き抜けた部分がある訳でもなく、全体的にチープさしか印象に残らないところが辛いですね。
アルバトロスも、これをスタローンの名前で売り出すよりは「~~踊る聖林(ハリウッド)」みたいにして、『踊る~~』シリーズのようなタイトルを付けて売り出した方が良かったのでは…
まあ出来が悪い映画では無いですし、『インド製ミュージカル映画』というネタとして観る分には良い作品かと思われますので、その手の作品に興味がある人ならばチェックしておいても良い一本では無いでしょうか?