NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ウルフマン」(55点/モンスター)

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■■■「ウルフマン」■■■
(55点/モンスター)

 舞台俳優のローレンスは、ある日、弟の婚約者であるコンリフから自分の地元で弟が1ヶ月前から行方不明になっている事を知らされる。

 彼は弟の捜索をするために地元であるブラックムーアという村へと帰郷するが、地元に着いた矢先に、つい先日、弟の死体が何者かに切り裂かれた無残な姿で発見された事を知る。

 弟を殺した犯人を突き止めるために捜査を開始した彼だったが、事件の調査中にジプシーのキャンプで『巨大な獣のような怪物』に襲われて瀕死の重傷を負わされ、なんとか傷から回復したものの、それ以降、自らも満月の夜になる度に『狼男』へと変身して人を襲う怪物と化してしまった事に気付くのだった…



 1941年に製作された古典ホラーである「狼男」のリメイクに当たる、ゴシック風モンスターホラー映画。

 本作は「吸血鬼ドラキュラ」とか「ミイラ再生」とかが流行した、いわゆるユニバーサルピクチャーズのモンスターホラー映画全盛期に作られたモノクロ映画のリメイクに当たる作品のようですが、残念ながら私はオリジナルの方は観た事がありません。
 (でも、DVDだけは積み映画状態でウチにあった気がする…)

 したがってオリジナルと本作との比較は出来ないのですが、内容を現代風に大胆にアレンジというような感じではなくて『オリジナルをベースとして再現しようとしたリメイク作品』という印象を受ける作品ですね。

 映像の表現やらがゴシックホラー風の雰囲気に非常にこだわって作られており、近代へと移り変わった直後の近世のロンドンの町並みとか、なかなか良い雰囲気で再現できていると思います。

 モンスターに関しても古き良き時代の『狼男』ってまんまのデザインで、当時のイメージを再現しようとしている部分が感じられ、ホントに『雰囲気映画』って感じに仕上がっている作品ですね。

 まあ懐古的なデザインは悪くないと思うのですが、全体的にちょっと『古臭さ』を感じさせるレベルになってしまっているのは、ちょっと辛いところ。

 お話の展開も非常にスローテンポで『古典的』であるが故に目新しい要素がある訳でも無いため、どうにもダルいシーンが多くて冗長さを感じざるを得ません。

 一応、『主人公の父親絡みのエピソード』とかはオリジナル要素っぽい気がしますが、逆にその辺のエピソードを含めたせいで尺が長くなってしまって、テンポが悪くなってしまっているような印象も…

 ゴシックホラー的な雰囲気を楽しむ『雰囲気映画』としては良いかもしれませんが、もうちょっと現代的な『派手さ』や『テンポの良さ』が欲しかったってのが、正直な感想かな?


 総評としましては、悪くは無い作品なのですが本作ならではの『面白さ』や『目新しさ』が感じられないため、どうにも単なる『印象の薄いリメイク作品』になってしまっている感じ。

 モンスター映画が好きであれば、まあそれなりに楽しめる作品ではあると思うのですが、かといって強くオススメできるような部分のある作品かと言われると微妙なところかなぁ…

 まあ、この手の古典ホラーのリメイク作品に興味がある人ならば『とりあえず観ておいても損は無いタイトル』だと思うので、気になる人はチェックしておいても良いんじゃ無いでしょうか?