■■■「ザ・リグ ~深海からの覚醒~」■■■
(45点/モンスター)
深度4000mの深海から石油の採掘を行う海上油田プラント(リグ)で、父親であり責任者でもあるのジムと一緒に働く娘のキャリーは、深海を探査用ロボットで調査中に何者かにロボットが破壊されるという事故に遭遇する。
ハリケーンの接近により殆どの作業員が避難したリグで、事故の原因を調べようとする彼女だったが、そんなおりにリグの従業員の一人が作業中に行方不明になるという事件が発生。
従業員の安否を確認するためにリグの内部を捜索するも、その安否を確認する事は出来ず、逆に何者かの襲撃によって父親のジムが殺害されているのを発見する。
『海中から現れた謎の怪物』が従業員らを襲っている事を知った彼らは、ハリケーンの接近の影響で陸地との音信が不通となったリグで、なんとかして怪物を撃退しようとするが…
海底から現れた謎の生物が海上油田プラントの従業員を襲うという、モンスターホラー映画。
設定とかを見ると分かるかと思われますが、良い意味でも悪い意味でも『物凄くコテコテのモンスターホラー映画』って感じの作品ですね。
『海底から現れた正体不明の怪物』に『嵐のせいで音信不通となった海上プラント』という閉鎖環境。
登場人物も自立したヒロインとか、リーダーと対立するヒロインの恋人とか、面白黒人(もちろん途中で死ぬ)とか、退役した元職業軍人(もちろん見せ場を作って殺される)とか、ホントに『モンスターホラー映画のテンプレート』でも参考にして作ったのかと思うようなコテコテの設定で、ある意味で清々しさを感じるレベル。
お話の方もコテコテながら割とツボは抑えられている感じで、『主人公らのキャラクターの描写』
や『演出やストーリー展開』は悪くない感じ。
ただ、全てにおいて『コテコテすぎて目新しさが全く感じられない』ので、ツマんなくは無いんだけど『凄く面白いか?』と言われると微妙なところではあります。
総じて『悪くない部分』は多い作品なのですが、最大の欠点は『モンスターに魅力が感じられないこと』ですかねぇ。
モンスターのデザインは、『半魚人』というか『デカくなったチュパカブラ』というようなオーソドックスなデザインで特に面白味がないですし、どうみても仮面ライダーに登場する怪人のような『明らかな着ぐるみ』レベルで、それを誤魔化すために『画面にモンスターを極力写さない』って演出も萎える印象です。
撃退の方法も捻りがないですし、そもそも海底から何でそんな生物が出現したのかも一切不明で、モンスター絡みの設定にあまりにも説得力が無いのは残念な感じ…
他の部分が『悪くない出来』なのだから、コレで怪物に魅力があれば高い評価が下せる作品となったと思うので、非常に残念なところ。
ただコテコテばかりの本作ですが、ラストの『弟たちが兄の仇を討つために戦う』みたいな展開は、ちょっとだけ捻りが効いてて面白かったです。
でも、ストーリー的にはそこまで必然性が感じられない演出だったので、『どうなんだろう?』って気もしなくもなかったですが…
(というか、お陰でラストでのヒロインの影が薄すぎだし…)
総評としましては、良くも悪くも『ごく普通のB級(というかC級?)モンスターホラー映画』って感じの作品ですねぇ。
全体的に悪い部分は主に『予算に起因する部分』で、他の部分はそこまで悪くない出来なのですが…
だからといって敢えてオススメ出来るような『面白い要素』ってのも殆ど無いので、とにかく『凡作』としか言いようが無い印象です。
ツマんない作品ではないので、気になっている人が居たら別に止めはしませんが、モンスターホラー好きな人が『敢えて好んでこの作品を観る価値があるか?』と言われるとなんとも微妙な作品ですので、『まあ、お好みでチェックしてください』という感じの一本だと言えるでしょう。