NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「30デイズ・ナイト」(60点/モンスター:結構オススメ)

イメージ 1

■■■「30デイズ・ナイト」■■■
(60点/モンスター:結構オススメ)

 アメリカ最北の居住地であるアラスカ州のバロウの町。
 冬の本番を控えたこの町に、30日間に及び太陽が登らなくなる『極夜』が訪れようとしていた。

 極夜を前に住民達の殆どが町を後にするなか、町で大量の携帯電話が盗難されたり、犬が虐殺されたり、町の唯一のヘリが破壊されたりと言った奇妙な事件が続発する。

 保安官のエバンは不審に感じながらも自体の対応に追われるが、やがて夜の訪れと共に町の発電所が何者かに襲撃され町が闇に包まれるとともに、得体の知れない怪物が人々を襲撃しはじめる。

 エヴァンは襲撃された町の住人から『怪物の正体はヴァンパイアの集団ではないか』という驚くべき事実を知らされるが、果たして30日間の『明けない夜』を過ごす彼らは恐るべきヴァンパイアの襲撃から生き延びる事が出来るのだろうか…



 極北のアラスカの町を極夜の夜にヴァンパイアの集団が襲撃するという、サム・ライミ製作によるモンスターホラー映画。

 同名のアメリカンコミックをサム・ライミ率いる『ゴースト・ピクチャーズ』によって映画化した作品で、『30日間連続で夜が続くアラスカの町をヴァンパイアの群れが襲撃する』という、ホラーファンならワクワクするような個性的な設定が秀逸なホラー作品です。

 しかし、確かこの作品って劇場では2~3年前に公開された作品だったと思うのですが、2年もDVD化されなかったのには何か訳があるんだろうか…

 お話に関しては、原作にほぼ忠実な映画化作品って感じですね。

 暗闇と化した町をヴァンパイアの集団が襲撃して、住民達が身を守るために隠れて立てこもるといった感じの展開で、設定の奇抜さの割にはお話の中身の方は割と普通のホラー映画といった印象です。

 ただ、映画そのものは普通に良く出来ており、ヴァンパイアの襲撃シーンや盛り上がる部分なんかはかなりシッカリと作られている印象。
 特に除雪車でヴァンパイアの群れと戦うシーンとか、ラストの展開はなかなか熱くて良い感じでした。

 また、コミック版のイラストを忠実に再現したヴァンパイアの不気味さも良い味を出しており、極夜の町の不気味なイメージを再現した映像のセンスも悪くないと思います。

 でも中盤のヴァンパイアから身を隠して立てこもるシーンはちょっと冗長で、序盤から中盤が少し退屈な印象を受けたので、序盤の襲撃シーンをもっと派手に描くかもうちょっと盛り上がる展開が欲しかったかな…

 あと、コミックだとそこまで気にならなかった部分ですが、映画そのものが2時間弱程度の長さで全てのシーンが『延々と夜のシーン』ばかりなので、単純に一夜の出来事のように思えてしまい『30日間の夜』ってのが今ひとつ実感できないのは残念な部分ですね。
 もう少し『タイムスケールを分かりやすく示すような演出』があった方が良かったかも?

 他に、ラストバトルが盛り上げた割にアッサリしすぎなのも、ちょっと勿体無い部分ですかねぇ…

 とまれ、細かい部分での不満は何点かあるものの、映画そのものの完成度はなかなか高いレベルでまとまっており、ごく普通のレベルで楽しめた作品ではありました。


 総評としましては、傑作とまでは行かないものの総じて『良く出来たモンスターホラー映画』って感じの作品だと思います。

 ヴァンパイア映画としては設定も個性的でなかなか面白い作品だと思うので、その手の作品が好きな人であればチェックしておいて損は無い一本だと言えるでしょう。

 設定の面白さの割に、やや本作ならではという個性に乏しいところが残念な部分ではありますが、『立てこもりタイプ』のモンスターホラーが好きな人ならば間違いなく楽しめる良作だとは思いますので、そういったジャンルが好きな人ならば間違いなくオススメですよ。