NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ザ・ホード 死霊の大群」(60点/モンスター:結構オススメ)

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■■■「ザ・ホード 死霊の大群」■■■
(60点/モンスター:結構オススメ)

 パリ北部の郊外とある街。
 ギャングによって仲間を殺された4人の警官らは、仲間の仇を討つためにギャングのアジトとなっている旧いビルへと乗り込むこととなる。

 深夜にビルへと侵入した彼らだったが、ギャングのアジトを襲撃しようとしたまさにその時に、民間人の闖入によって襲撃は失敗し逆にギャング達によって捕らえられてしまう。

 しかしそんな最中に、ギャングのアジトで唐突に『死者が蘇って周りの人間を襲う』という異常事態が発生。
 ビル全体が大混乱に陥る中、なんとかビルの屋上まで逃れた彼らだったがパリの市街は壊滅状態で街は蘇った大量のゾンビの群れによって埋め尽くされている事を知る。

 ゾンビとの戦いを生き延びるために、ひとまずギャング達と手を組む事となった彼らだったが…



 ゾンビの大群と警官&ギャングが廃ビルでひたすら戦うという、フランス製のモンスターホラー映画。

 最近流行の『矢鱈と活きの良いゾンビ』が大暴れするという、いわゆるゲーム的な感覚のゾンビ映画で、映像とかも実際にゲームの影響を受けてるんじゃないかと思う部分もチラホラ。
 (駐車場の車の屋根の上でゾンビの大群と戦うところとか、イメージが「デッドライジング」そのものだし…)

 まあ設定からなんとなく想像が付くとは思いますが、マトモなストーリーらしいストーリーは殆ど無くて、ひたすら派手な戦いのシーンをウリにしたいわゆるバトルホラータイプの作品ですね。
 『ゾンビが何故に何処から出現したか…』とかって解説すら一切無いという、ある意味で清々しいまでに『ゾンビが暴れること』に徹底した作品です。

 ただ『死霊の大群』とかってサブタイトルが付いてる割には、出現するゾンビの数はそこまで多くは無くて、特に序盤から中盤にかけてとか散発的に戦闘が発生するようなノリなので、ちょっと退屈なぐらい…

 しかし終盤の大量のゾンビと戦うシーンはなかなか圧巻で、スピーディかつ迫力のあるシーンも多くて非常に上手い見せ方をしているのは良い感じ。

 実際には『ゾンビの大群』はカメラのアングルとかでごまかしてるだけで、同時に出現してるゾンビの数はそれほどでも無い(きっと人数だけなら「ランド・オブ・ザ・デッド」とかの方が多い)と思うですが、これは演出の勝利といった感じでしょう。

 登場人物たちがギャングと警官という身体能力の高い人達なのですが、本作ではゾンビも物凄く身体能力が高いので格闘戦とかが無駄に派手なのも面白いですね。
 『殴られても殴られても立ち向かってくるゾンビ』を必要以上にフルボッコにするシーンとか、『もうそのぐらいで良いだろ』って感じのムチャクチャっぷりで、ちょっと笑ってしまいました。

 またストーリーに関してはロクに無いものの、演出やキャラクターの描き方は非常に上手くて、終盤で主要な各キャラにキッチリと見せ場(『ここは俺が食い止める!!』みたいなシーン)が用意されてて、その展開がいちいち無駄に熱いのは非常に良かったです。

 『第二次大戦の武器を引っ張り出して来て戦う』という展開も、銃器マニアにはなかなか楽しめる部分でしたし、色々なツボが上手く押さえられてるなぁ…って感じ。

 ただ全体的に良く出来てはいるのですが、所々に見られるチープさとか荒削りな部分が結構目に付きがちな事と、やや『どこかで見たようなシーン』が多くて本作ならではのインパクトとして残る部分が少ないのが、ちょっと難点ですかねぇ…


 総評としましては、『微妙な部分』も少なくないものの『見るべき部分』もそこそこあるという、いかにも『佳作レベルのB級モンスター映画』って感じの作品ですね。

 ちょっとバイオレンス描写が強めでキャラもアクが強いので観る人間を選ぶ作品だと思いますが、趣味に合えば非常に楽しめる映画だと言えるでしょう。

 とりあえずバトルホラー系のジャンルが好きであれば観ておいて損は無い一本だと思うので、その手の作品が好きであればチェックしておいても良い作品だと思いますよ。