（６０点／オカルト）
自分の運転する車の交通事故で恋人を失ったマックスは、それ以来、死後の世界が見えるという幻覚に悩まされて情緒不安定な生活を送っていた。
カウンセリングを受けてなんとか精神の安定を彼は、社会復帰のために父親の勧めでデパートで警備員として働く事となるが、深夜のデパートで鏡の中に『不気味な少女の姿』を目撃する。
彼は、自分がまた情緒不安定になっているのではないかと不安を抱くようになるが、それ以降、彼が鏡の中に見た幻影のとおりにデパートの社員が変死するという事件が続発。
今回の事件の原因が謎の少女にあると考えた彼は、少女の正体を探るべく調査を開始するが…
鏡の中で殺された人間が現実世界でも同じように死んでしまうという『呪いの鏡』の恐怖を描いた、「ミラーズ」の続編に当たるオカルトサスペンス映画。
前作は、そこそこ良く出来てて佳作レベルのオカルトホラーって感じの作品で、『鳴り物入りで宣伝されてた割には普通のホラーだなぁ…』って感想を抱いたと記憶しているシリーズなのですが、今回はその続編とい事で『前作のあのラストからどんな風にお話を続けるのか』と思いきや…
ストーリー的には前作とは殆ど繋がりが無い感じで、全く別の話といっても良いような内容のお話でした。
一応、件の『呪いの鏡』は今回も出てくるのですが、行方不明の『少女の怨念』とかってのがメインのオカルトサスペンスって感じのお話で、前作の設定とかは殆ど活かされていない…というか殆ど絡んで来ない感じ。
ぶっちゃけ、『コレってミラーズの続編にする必要ないんじゃない？』とツッコミを入れたくなったのは自分だけですか？
『鏡の中で殺された人間が現実世界でも同じように死ぬ』って設定のみが本作にも引き継がれているので、ぶっちゃけ『設定のオイシイ部分だけ流用して別作品を作りました』って感じのお話ですね。
しかしアイデアだけ流用した作品ながらも、本作が『ツマんない映画か？』というとそうでもなく、作品自体は意外と良く出来ている印象。
恐怖シーンの見せ方やストーリーの構成がなかなか上手く、盛り上げ方や緊張感の持続させ方も割と良い感じ。
サスペンス要素は謎解きパートがちょっと唐突すぎる気はしますが、破綻の無い程度にはまとまっているので、オカルトサスペンスとしては十分に許容できる範囲でしょう。
残虐シーンが結構エグくて、前作と比べても『かなり痛そうなシーン』を描いてくれるのはなかなかに良いですね。
ただ犠牲者になる人間が少なめでちょっと物足りなさを感じたので、もうちょっと犠牲者を増やして景気良く人が殺された方が、作品全体のテンポも良くなって良かったかも？
あとテンポというと、無駄に回想シーンとかが長くてテンポを殺がれている印象があったので、回想シーンは必要最小限の情報だけでも良かった気が…
前作も『謎解き』がメインのお話っぽいノリだったので、ストーリーの背景とかを詳しく掘り下げたかったのかもしれませんが、ここまで前作の設定を無視しちゃうのなら『魅せる』方向のエンターテイメントに走っても良かったんじゃないかなぁ？
総評としましては、ある意味で前作と同様に『そこそこ良く出来た佳作レベルのオカルトサスペンス映画』って感じのお話ですね。
ただ『前作が好きだったから本作も見る』って流れだと、余りのお話の繋がりの無さに肩透かしを食らわされる可能性はあるので、前作と良く似た設定の『全く別のお話』と考えて鑑賞するのが良いでしょう。
純粋にオカルトサスペンス映画として観るならば『それなりに楽しめる内容』だとは思いますので、そういうタイプの作品が好きであれば、とりあえず観ておいて損は無い１本では無いかと思います。
