（６５点／オカルト：オススメ）
テキサスのとある小さな街に引っ越してきたメラニーは妹のクリスタルからこの街で過去に踏み切りでスクールバスが衝突事故を起こして、乗っていた子供達が全員死亡した『スクールバスの悲劇』という大事故の言い伝えがある事を聞かされる。
その事故の場所で『車を停車してギアをニュートラルの入れると、死んだ子供たちの霊が現れて窓に子供の手形が付く』という都市伝説の存在を知った彼女は、深夜に友人たちと都市伝説が実際に起こるかの『実験』を行った際に『白いワンピースの少女』の姿を目撃。
それ以来その少女の存在と事件の事が気になり、事件の真相をを探ろうと調査を開始するが…
多くの子供たちが死亡した悲惨なスクールバス事故の現場にまつわる謎を題材とした、オカルトサスペンス映画。
なんでも、アメリカに実際にある『スクールバスの悲劇』って都市伝説を題材としたホラー映画らしいのですが、実際にそういう都市伝説があるのかどうかは聞いたことがないものの、本作自体はなかなかに良く出来たオカルトサスペンス映画って感じですね。
全く話題にもなってないような作品ですが、コレは十分に『掘り出し物』と呼べるレベルの完成度の作品と言えるでしょう。
サスペンスとしてのストーリー構成が非常に良く出来ており、最初は単なるオカルト映画かと思わせておいて実は…って展開の仕方がなかなか面白いです。
いかんせんサスペンスなので内容についてはあまり多くは語れませんが、謎解きプロセスなんかも無理が無い展開ですし、ストーリーの作りが非常に上手く『無駄な要素』が殆ど無くて割とどうでもよさそうだった設定が、後半になって伏線として活かされて来るという構成には素直に感心しました。
真相を気付かせないようにさりえげなくミスリードを誘うような演出もなかなか良い感じですし、ホラーでありながら謎解きが行われた後も物語が全く破綻していないのは見事。
オカルトがメインの展開でありながら、意外と残酷な描写とかもあってそれなりに見せ場もありますし、オカルトサスペンスの『地味になりがち』という特徴を上手い具合にカバーしているのも良い感じ。
なんか妙にベタ誉めしてるみたいな評価になってしまいましたが、まあＢ級映画なので全体的なチープ感は拭えないものの、構成の上手さという点ではその辺のメジャータイトルにも負けて無いと思うので、ハリウッドとかでお金をかけてリメイクすれば割とヒット作を狙えるようなレベルの作品ではないかと…
総評としましては、全体的に非常に強いＢ級臭さはありますが、むしろ『Ｂ級ならでは』って感じの独特のテイストを持った『良作のオカルトサスペンス映画』だと思います。
オカルトサスペンス系の映画が好きな人であれば『間違いなくオススメできる作品』だと思いますが、それなりに結構なゴア描写があるのでその手の表現が苦手な人には、ちょっと辛い作品かも？
とまれ、そういう系統の映画が好きであれば『観ておいて損は無いレベルの作品だ』と思いますので、Ｂ級ホラーマニアであればチェックしておいても良い感じの一本じゃないでしょうか？
