■■■「ファイナルバトル・オブ・ロストアイランド」■■■
(35点/サスペンス)
カナダ沖に浮かぶ絶海の孤島であるマレ島。
その場所では軍事企業であるアルトラコープ社が『テスト48』と呼ばれる謎の実験を行っていた。
しかし、ある日その島で作業員の全員が消息不明となる事件が発生、企業からの要請により科学者のレイと軍医のソフィらは調査チームを結成して島へと上陸する事となる。
上陸した島で研究成果のデータを回収する予定だった彼らだが、島で変幻自在に姿を変える『黒い煙』のような得体の知れない怪物と遭遇。
銃も刃物も全く通じない怪物に対抗するために、彼らは怪物の正体を突き止めようとするが…
変幻自在に姿を変える『黒い煙』のような怪物を題材とした、モンスターもののサスペンスホラー映画。
パッケージを見てのとおり、今回は「LOST」のパクリっぽいイメージでタイトルを付けてきたようですが…
本作に関しては実際に本編の方も、作品の『舞台雰囲気』やら『そっくりなBGM』やら『黒い煙』のような怪物のイメージやら思いっきり「LOST」のパクリを意識して作られているので、邦題における『「LOST」のパクリ映画』という認識はある意味で正しいかも?
肝心の本編の方は、とある離島で行われた生物兵器実験を巡るサスペンスといった感じの内容。
『黒い煙』のような怪物のビジュアルと、登場人物の殆どが軍人という設定から『激しい格闘シーン』が、割と本編の見所といった印象ですね。
ストーリーの方も割と凝った設定で、『~~と思っていた登場人物が、実は~~だった』みたいな『意外な展開』的なノリが用意されてはいるのですが、何を思ったのかその『意外な展開』の設定が殆ど全員のキャラに用意されており、中盤以降は『お前もかよ!?』って感じでもう驚かせたいんだか笑わせたいんだか分からないような状態に…
しかも、キャラの素性が明かされる度に無駄に登場人物の『過去の回想シーン』が入るって構成が、いかにも「LOST」とかのTVシリーズを意識している感じなんだけど、そもそも90分しか尺のない作品で、そんな手法を取られてもキャラをたいして掘り下げれる訳でもなく…
お話の方は、そこそこテンポも良くて悪くないイメージなんだけど、やたらと連発される『意外な設定』のせいで妙に話が分かりづらくなっているので、無駄にその部分にばかり尺を割かれているせいで逆にストーリーが全く盛り上げれずに、非常に『底の浅い』感じの内容になってしまっているのが難点かなぁ?
だいたい、『煙のように姿を変える変幻自在の怪物』なのに、変身前の人間の状態で『ロープで縛られて捕らえられる』とか『なんでやねん!?』というツッコミどころも多すぎ。
怪物のビジュアルはなかなかカッコ良いんだから、怪物の特性とか特徴とかを語る部分にもうちょっと尺を割いてくれたり、怪物との対決シーンをもっと増やしてくれた方が良かったんじゃないかと…
正直に言うと『「LOST」のパクリっぽいものを作りたかっただけ』ってのは分かるんですが、それ以外の部分が中途半端で『だから何なんだよ?』って感じの作品になってしまっている印象ですねぇ。
総評としましては、ビジュアルイメージとかは悪くないんだけど、ホントに『それだけ』しか見所が無くて、どうにも『盛り上がりに欠ける映画』って感じの作品ですねぇ。
予告とかを見る限りは面白そうなのですが中身がどうにも伴っておらず、ぶっちゃけて言うと『予告で見れる部分が全て』の作品って感じでした。
あんまりコレというほどのオススメ要素は無いですが、「LOST」のパクリネタとして『ああ、こんな風にパクってるんだ』ってのをネタとして楽しむ分には悪くないかもしれませんので、『ネタ映画として見たいというのであればどうぞ』って感じの一本でしょうか?