NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ゾンビハンター2022」(15点/モンスター)

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■■■「ゾンビハンター2022」■■■
(15点/モンスター)

 2012年に起こった核戦争により文明が崩壊した10年後。

 わずかに生き残った人類は、放射能による突然変異によって出現したゾンビ達の脅威にさらされながら、汚染されていないわずかな資源を利用して生活を続けていた。

 汚染された水を浄化するための研究を行う科学者のフェリックスは、浄化のためのアイデアを考案し、それを伝える為に通信施設のある『第7副研究所』へと仲間と共に向かう事となる。

 途中でゾンビの攻撃により共同研究者を失った彼だったが、武装した2人の男たちによって命を救われ彼らと共に研究所を目指す事となるが…



 核戦争後の世界で人類を救う為に研究を行う科学者たちがゾンビの群れと戦うという、サバイバル風味のモンスター映画。

 いまどき放射能の影響で人間がゾンビ化』という設定を聞くだけで時代錯誤な印象を受けるのですが、内容や出来の方も何と言うか時代錯誤な感じの作品です。

 まず内容以前に何と言うか、とにかく映像がショボい。

 最初に『冷戦時代の核の実験映像』みたいなのが流れて、本編の方も自主制作映画みたいな荒い映像でスタートするので狙って荒い映像にしているのかとも思ったのですが、そもそもの時代の設定が2022年という設定なのにレトロな印象を出す意味は無いですし、もしかしてコレって『映像がショボいのをごまかす為にレトロっぽい雰囲気を出そうとしている』ってだけなのでは…

 ストーリーに関してもかなりグテグテで、主人公が時々思い出したように『科学考証っぽいセリフ』を口にするのですが、内容に科学的な根拠は一切なくてホントに『それっぽい雰囲気のセリフ』を並べているだけ。

 お話の展開も、2箇所の視点を切り替えながら合間に回想シーンとかが挿入されるため無意味に分かりづらいんだけど、別に大したストーリーがある訳でも無いという有様。

 終盤は、主人公たちが『ひたすらゾンビと殴り合ってるだけ』みたいな流れになっちゃうし、ラストはホントに意味不明の投げっぱなしで終わってしまうしで、何じゃソリャとしか言いようが無いような展開です。

 だいたい、いくら文明が崩壊した世界だからって、人類を救う研究を行っている科学者が『廃倉庫みたいな場所で20年位前のPCを使って研究してる』ってのはいくらなんでも無理がありすぎ…(そのくせ、ノートPCは割と最近のMacとか使ってるし。)

 その辺の設定やデザインも踏まえてレトロ風の雰囲気を出したいのか近未来の世界を描きたいのか、せめてプロットをもう少し明確にした方が良かったのでは…

 まあしかし、この手のサバイバルホラーではストーリーがグテグテでもアクションシーンとかが良く出来てればそれなりに楽しめたりするのですが、アクションシーンや特撮もショボ目でイマイチな出来だし…
 とりあえず比較的テンポが良い事と、一部で無駄にテンションが高くて熱いシーンがある事ぐらいが誉められるべき要素かなぁ?


 総評としましては、B級というよりもD級ぐらいの出来『うーん、これはちょっと辛いかも…』としか言いようが無いような作品です。

 ストーリーの破綻っぷりや投げっぱなしっぷりは、ある意味で清々しいレベルですので、『ツッコミどころ満載のネタ映画』として観るぶんには、まあそれなりに楽しめる映画だと言えるでしょう。

 普通にゾンビ映画を観たいのでしたら、他にももっとマシな作品が沢山ありますので、敢えて本作を観るという苦行は積まなくても良いようなレベルの一本だと思いますよ…