NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「スクリーマー ~悪夢の予言者~」(40点/心霊ミステリー)

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■■■「スクリーマー ~悪夢の予言者~」■■■
(40点/心霊ミステリー)

 夢の中で死者と会話できるという特殊な能力を持つ女子高生のクリスティは、ある日、夢の中で出会った不気味な少年に導かれて、学校のアイスホッケー部のロッカールームで人が首を吊って死んでいる夢を見るが…
 果たしてその翌日に、ロッカーで部員が何者かに絞殺されるという事件が発生。

 彼女は、友人でありアイスホッケー部の部員であるカイルと共に学校へと侵入して事件の真相を探ろうとするが、現場を調査中の警察によって保護されてしまう。

 カイルが校舎の鍵を持っている事を知った警察は、彼こそが殺人事件の犯人ではないかと疑いを抱くようになるが、そんな矢先に第2、第3の殺人事件が発生し…



 夢の中で死者と会話できる少女が連続殺人事件の謎を追うという、心霊ミステリーホラー映画。

 うーん何といいますか、『物凄く普通の若者むけ学園ミステリー』にちょっと『心霊要素』をプラスしましたって感じの作品ですねぇ。

 お話としては『死者とコミュニケーションを取れる少女の周りで謎の連続殺人が発生して、少女がその真相を解明する』…という感じのお話なのですが、内容的にはホントに普通レベルの学園ミステリーという印象。

 一応、ヒロインの過去に事件の秘密があったり、犯人をミスリードするような演出があって、最後まで犯人が分からないような展開になっている辺りの構成は、サスペンスしては及第点レベルといった感じ。

 ただ、サスペンスとしてのストーリー展開以外の詰めの部分が物凄く甘くて、殺人犯がたいして隠蔽工作を行っておらず『物的証拠がそこらじゅうにありそうな状況』なのに、警察が犯人を特定できなかったりするのは、いくら『若者むけミステリー』としてももうちょっとシッカリと作ってくれよ…って感じです。

 また終盤までの展開はそこそこ面白いのですが、ラストで明かされる殺人犯の動機があまりにもお粗末で物凄くガッカリした気分になりましたよ…

 あとヒロインが霊能力を持っているという割には心霊要素の絡みが物凄く薄くて、主人公の『死者とコミュニケーション出来る』って能力は無くてもストーリーが成立したんじゃないかと言うレベルなのが辛い所ですねぇ。

 そもそも霊とコミュニケーションを取る以前に『主人公の過去に直接関わりのある事件』だし、霊からヒントを得るような要素も殆どないですし、『心霊要素とか無くても自分で勝手に調べれば謎は解決できたんじゃないか?』と感じたのは自分だけ?

 いわゆる、『出来のいまいちなライトノベル』ぐらいのレベルの脚本に『心霊要素』を無理矢理プラスしたんだけど、そのプラスの要素が全く生かされてないような感じで、全体的にアンバランスで釈然としない印象を受ける作品でした。


 総評としましては、ツマんなくは無いんだけど『ミステリーとしては詰めが甘くて物足りなさを感じる作品』って感じですかねぇ。

 特に心霊ミステリー的なノリを期待していた場合は、『心霊』要素は殆ど無いも同然ですので、そういう方面に期待してると肩透かしを食らうかも?

 学園ものミステリーとしては、ストーリー展開は悪くないもののミステリーとしての完成度は低くてホントにチープな内容ですし、夕方ぐらいに再放送されてるような『若者向けミステリーTVドラマぐらい』のノリで見れば、まあ楽しめなくは無い作品でしょう。

 しかしミステリーやサスペンスは他に良作がいくらでもありますので、敢えて本作を観なければならない要素は、あまり見出せないですけどね…