NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ザ・スネーク」(50点/生物パニック)

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■■■「ザ・スネーク」■■■
(50点/生物パニック)

 アメリカの西部開拓時代。
 旧友のマーフィーを訪ねて宿場町を訪れた流れ者のビルは、マーフィーが既にならず者に殺された後だと知り落胆する。

 成り行き上で町のならず者たちと決闘を行う事になったビルだが、決闘が終わった直後に毒蛇の大群が町を襲撃。

 毒蛇の大群が多くの町を滅ぼし次はこの町へと向かっているというウワサを知った彼らは、ならず者たちと手を結んで毒蛇の大群を迎え撃とうとするが…



 開拓時代の西部の町を毒蛇の大群が襲撃するという、生物パニックホラー映画。

 簡単に言ってしまうと『毒蛇が大量に登場する生物パニック映画とウェスタン風の設定で作ってみました』という、それだけの映画ですな。

 「トレマーズ」の『エピソード0』的な位置づけに当たる「トレマーズ4」でも、お話の舞台が開拓時代の西部の町でしたが、早い話がアレの毒蛇版みたいなものを想像しておけば、ほぼ間違いは無い感じではないかと…

 「トレマーズ」と同様に『毒蛇の群れが何の理由で町を襲うか』とかの説明は一切なくて、『物凄い数の毒蛇が攻めてきたから、とにかく戦って生き延びろ!!』というホントにそれだけの話で、ある意味で『潔さ(いさぎよさ)を感じる内容』ですね。

 ちなみに、映画を製作しているのは、海外でコテコテのB級のモンスター映画やSF映画を専門に作っていることでお馴染みの『SCI-FI PICTURES』の手によるもので、まあコテコテなのは致し方なしかという感じ。

 お話のノリとしては、序盤は『無法者と主人公の対決』というウェスタンっぽいノリで展開するのですが、中盤からは『無法者と手を組んで毒蛇の群れと戦う』という展開でお話のノリがガラリと変わる印象。

 『一粒で二度美味しい』的なノリを狙ったのかもしれませんが、序盤の西部劇っぽい展開と中盤以降の生物パニック展開にあまり繋がりが無いので、正直言って序盤の展開に尺を割いて西部劇っぽさを描く必要はあまり無かったんじゃないかなぁ…

 パニックシーンは大地を埋め尽くす程の蛇の群れが攻めてくるシーンは、なかなかインパクトがあって良いのですが、主人公たちの武器がダブルアクションの拳銃やボルトアクションのショットガンと、いかんせん地味なのが辛い。

 一応は『町の発明じいさん』みたいなのが、南北戦争時代のガトリング砲オリジナルの火炎放射器とかを出してきたりして努力はしてるんだけど、やはり今ひとつ盛り上がりに欠けます。

 モンスターの方も、基本的に単なる毒蛇なので攻撃パターンに芸が無いですし…
 ただ、ラストに何の脈絡も無く登場する『全長10mぐらいの超巨大毒蛇』との対決のシーンは無駄にカッコ良くて熱かったので、いっそ毒蛇の群れとかじゃなくて『ガンマンたちが大蛇と対決する映画』にしておいた方が面白かったかも?

 あと、主人公たちのキャラクターの個性付けとかは割と上手く作っていると思うのですが、主人公にせよ悪役にせよ『今ひとつコレといった見せ場が無いまま終わってしまう』のが勿体無い。

 ストーリーしかりパニックシーンしかり、どうにも消化不良で物足りなさが残る感じなのが惜しい作品でしたよ。


 総評としましては、特にツマんなくは無いんだけど『面白いか?』と言われると今ひとつ決め手に欠けるという、良くも悪くも『普通レベルのB級生物パニック映画』ですね。

 何も考えずに観る分には『それなりに面白い』んですが、冷静に考えると『だから何なんだ?』としか言いようが無いツッコミどころ満載の内容で、設定やストーリーのアバウトさから今ひとつ印象に残らない作品になってしまっているのが残念なところ。

 まあ、生物パニック映画が大好きな人であれば『息抜き程度に観るにはちょうど良いレベルの作品』かもしれませんので、他の『重めの作品』の合間にでも『気が向いたら観てみる』程度でチェックすると良いかもしれませんね。