■■■「SUCK」■■■
(45点/コメディホラー)
売れないロックバンドのリーダーであるジョーイは、バンドメンバーの一人であるジェニファーが怪しい男と一夜を共にしてから、人が変わったように妖しい魅力を放つようになった事に気づく。
彼女の魅力のお陰でバンドは唐突に人気を博するようになり、彼らのバンドのランキングはうなぎ上りに上昇していくようになる。
バンドのメンバーは彼女がヴァンパイアとなり、周りの人間を殺害して血を吸っているという恐るべき事実を知るが、バンドの人気を維持するために秘密のままライブツアーを続行する事を決意し…
メンバーの一人がヴァンパイアになったお陰で、売れないロックバンドがスターダムへとのし上がっていくという設定の、コメディホラー映画。
いわゆるロックミュージカル風味のコメディホラー映画って感じのお話ですが、ロック界の大物であるアリス・クーパーやらイギー・ポップやらが脇役で出演しているという、無駄に豪華な感じの作品です。
ですが、脇役のメンバーが無駄に豪華ってだけで、映画の中身の方は『割と普通のコメディホラー映画』って感じの内容ですね。
ロック映画らしく、要所要所でロックが流れたりバンドの演奏シーンが入ったりして、PV的なノリで音楽を楽しむ分にはなかなか良い感じ。
しかしストーリー展開とかは月並みな感じで、特にコレといって印象に残るようなシーンも無いですし、ラストシーンとかオチとかもパンチが無くて盛り上がりに欠ける印象です。
有名人の出演シーンは出番が割と多い上に重要な役どころが多いので、アーティストのファンの人としてはなかなか納得できるレベルだと思うのですが、映画そのものの方は特撮なんかも全体的に非常にチープで『D級映画』ぐらいの雰囲気が漂っている内容で、むしろそういう方向性を狙っているのかと疑いたくなるような完成度。
そういうチープな部分も含めて『ロックなノリ』が好きな人なら、そこそこ楽しめる作品って感じなのかなぁ?
総評としましては、特にコレという程の褒める部分は無いですが、ブラックなノリの『B級のコメディホラーとしては及第点』って程度のレベルの作品ですね。
内容も完成度も破綻しているような部分は無いので、『ロックが好き』で『出演している有名人に興味がある』ようならば、とりあえずチェックしてみても損は無いタイトルだと言えるでしょう。
ロック好きにしか分からないネタとかも仕込まれてそうな印象ですし、音楽の流れるシーンとか演奏シーンも多いので、その辺りに興味があるならば観ておいても良い作品かもしれません。