NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「マチェーテ」(65点/アクション:結構オススメ)

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■■■「マチェーテ」■■■
(65点/アクション:結構オススメ)

 一匹狼であるメキシコ警察の捜査官のマチェーテは、麻薬王であるトーレスを逮捕するための証人を確保し彼を追い詰めるが、仲間である筈の上司の裏切りにあい、逆にトーレスに捕らわれてしまい娘までも殺され自らも殺されそうになる。

 間一髪で危機を脱した彼は、それから3年後に米国のテキサスへと移り住み、外国人労働者として生活を続けていた。

 そんなある日、腕っ節を見込まれて政界の大物から『不法移民政策の強硬派』であるマクラフリン議員の暗殺を依頼された彼は、仲間のメキシコ人たちの為に仕事を引き受ける事になるが、実は暗殺自体が茶番で罠にはめられた彼はテロリストとして指名手配されてしまう。

 事件の真相を探るうちに裏で議員とトーレスが繋がっている事を知った彼は、過去の因縁からトーレスたちへの復讐を誓うが…



 一匹狼の捜査官が悪徳政治家や麻薬王相手に大暴れするという、ロバート・ロドリゲス監督&Q・タランティーノによるバイオレンスアクション映画。

 もともと、ロドリゲス&タランティーノによって製作されたグラインドハウス」の中での『劇中劇』としてネタで作られたショートフィルムだった本作なのですが、今回はそれを『実際に映画にしてしまいました』という、何と言うか『勢いだけで作った映画』っぽい作品です。
 随所に見られる『悪ノリっぷり』がいかにもロドリゲス&タランティーノらしくて、いろんな意味で非常に良い味を出した作品ですな。

 ノリ的にもグラインドハウス」シリーズのテイストを継承しており、わざと『フィルムの汚れたような演出』を入れたり、ストーリーが70年代風の直球ストレートな内容だったりと、グラインドハウス」シリーズの新作と言っても良いのかも?

 主演はショートフィルム版と同様に、ロバート・ロドリゲス監督の作品に殆ど必ず出演している、味のあるオヤジキャラであるダニー・トレホ
 いや、このオッサンは色んな作品で『主役以上に存在感がありすぎ』で好きなんですが、ついに主役に抜擢という事で嬉しい限りですね。

 このオッサンが、どう観ても見ても『小汚いオッサン』なのにメチャクチャカッコ良く見えてしまうのが、またロドリゲス作品の凄いところと言うかダニー・トレホの人徳のなせる所と言うか…

 また「グラインドハウス」系のお馬鹿映画なのに、今回は脇役がスティーブン・セガールドン・ジョンソンジェシカ・アルバロバート・デ・ニーロ、という超豪華キャストで固められているのも、なかなかポイントが高いです。

 また、本作では珍しくティーブン・セガールが主人公のライバルの『悪役』として登場するのですが、セガールは悪役になっても相変わらずの無敵っぷりなのは笑わせて貰いました。

 本編の内容は、ダニー・トレホ演じる捜査官のマチェーテが、その名の通りに山刀(マチェット)で悪人をひたすら『斬って斬って切り刻む』という感じのお話で、ストーリーもクソも無いようなノリのロドリゲス監督の「デスペラード」シリーズに相通ずるみたいなタイプの作品だと言えば、ファンには分かりやすいかも?

 お話はさておき、とにかくアクションシーンが派手で無駄にカッコ良くてシビれます。

 ただ「グラインドハウス」シリーズらしく残虐描写はかなり強めで、銃撃戦でも矢鱈と派手に血しぶきが飛び散りますし、山刀で悪人どもの首や手足をスパスパと切り落とすシーン(山刀の切れ味良すぎろ(笑))もいっぱい出てくるので、そういうのが苦手な人には辛いかも?

 逆にそういった『テンコ盛りの残虐シーン』や『直球ストレートなお馬鹿演出』を、無駄に豪華なキャストが大真面目に演じているのを、ビールでも片手にゲラゲラと大笑いしながら見るのが正しい鑑賞スタイルではないかと…
 (腸を命綱にしてビルからダイブするシーンとか、腹を抱えて笑ってしまいましたよ。)

 個人的には非常に満足度の高い作品だったのですが、豪華キャストを活かそうとしたせいか、妙に登場人物が多くてストーリーがゴチャゴチャしすぎているのが、ちょっと気になった部分かなぁ?

 ストーリーを描く部分に尺を割くぐらいなら、もっとデスペラード」みたいな単純明快な作品にして、派手なアクションシーンを大量に盛り込んで欲しかった。
 ラストの『無意味に派手な砦の襲撃シーン』とかに、もうちょっとボリュームがあれば最高だったんですけどね…


 総評としましては、いかんせん「グラインドハウス」シリーズと同様のノリですので『いかがなものか?』って部分も多いですが、単純明快な『お馬鹿アクション映画』としては、かなりポイントの高い作品です。

 とりあえずロドリゲス監督の「デスペラード」とかのシリーズが好きであれば、かなり楽しめる作品だと思いますよ。
 このところのロドリゲス監督作品の中でも、かなりトンがって傑出した内容ではないかと思うので、ロドリゲス監督のファンであれば絶対に観ておいて損は無い一本ですね。
 ぶっちゃけ「プラネット・テラー」よりも、こっちの方が断然面白かったので…

 とりあえず『何も考えずに楽しめるバイオレンスアクション映画』を探しており残虐描写に抵抗が無いならば『かなりオススメの作品』ではないでしょうか?