NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:ダーク・ハウス 戦慄迷館」(55点/オカルト)

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■■■「ダーク・ハウス 戦慄迷館」■■■
(55点/オカルト)

 幼少の頃、ある屋敷で『一人の狂った女が子供たちを虐殺する現場』を目撃したクレアは、その事件がトラウマとなり14年後の現在も悪夢に悩まされて続けていた。

 カウンセリングでの症状の改善が見られないことから、精神科医は過去の事件現場である『ダロード邸』へと行って過去と向き合う事を進めるが、その場所へと行くことはどうしても気が進まないでいた。

 しかしそんなある日、多くの幽霊屋敷をプロデュースするレイと名乗る男が、実際の殺人現場である『ダロード邸』を改造して本物の幽霊屋敷を作ることとなり、彼女の通う『大学の演劇学科の生徒』に協力を依頼するという偶然が発生。

 過去と向き合う好機だと考えたクレアは、友人たちと一緒にその仕事を引き受ける事とするが…



 14年前に虐殺事件のあった事件現場を改造した『幽霊屋敷』で再び惨劇が繰り広げられるという、幽霊屋敷もののオカルトホラー映画。

 タイトルの『ダーク・ハウス』は原題(DARK HOUSE)どおりなんですが『戦慄迷館』ってサブタイトルは何なんだろうと思いきや、『実際の事件現場を改造した幽霊屋敷』や『主人公の幼少期のトラウマ』って設定が「戦慄迷宮」と似てるからなんですな…

 このサブタイトルに釣られて本作を観る人が居るとも思えないですし、『迷館』って響きが妙にファンキーな印象を与えているので、なんというか微妙なタイトルになってしまっている気がするのは自分だけですかね?
 (というか、そもそも「戦慄迷宮」の映画が物凄く微妙な出来だったので、印象が悪くなっているような気も…)

 お話の内容としては、実際の殺人現場に『ハイテク仕掛けの幽霊屋敷』を作ったら、脅かす仕掛けの筈のギミックが実際に人を殺し始めて『本物の幽霊屋敷になってしまった』という、幽霊屋敷ものとしては割とありがちな設定の作品です。

 なかなか面白いのは、これに『ヒロインの過去のトラウマ』を上手く絡めている事で、特に冒頭の『子供の死体が淡々と映し出されるシーン』はなかなかの怖さで、導入としては非常に上手くて良い感じ。

 ただ、むしろ盛り上がるはずの『幽霊屋敷のギミック』に人が殺され始めてからの展開が矢鱈とショボいのはいただけない…

 幽霊屋敷のギミックという設定のせいで、襲ってくるのが『殺人ピエロ』とか『ゾンビ』とか『中世の騎士』とかなので、どうにもナンセンスな上にチープで怖さが全く感じられずに盛り上がらない。

 序盤でのサイコやオカルトな感じの怖さが全く活かされていないのが難点だと思うので、霊の襲撃シーンでも普通に『殺された子供の霊』とか『サイコな女主人』とかを登場させれば良かったと思うんだけど…殺し方にバリーションを持たせたかったのかなぁ?

 ただ襲撃シーンは微妙な感じですが、ストーリーのギミックなんかはなかなか良く出来ていて、終盤の『ちょっとしたどんでん返し』とか全く予想してなかったのでコレは素直に驚きました。

 伏線の仕込み方とかミスリードの仕方とかも結構上手いと思うので、『ストーリーのみ』に絞れば割と良く出来ている作品だと思います。

 やはり中盤で盛り上がるべき『霊の襲撃シーン』さえ、もう少し雰囲気を活かして作られてれば、なかなか面白い作品になったと思うのに…
 ホラー的な要素とサスペンス的な要素が上手く噛み合っておらず、チグハグな印象を受けるのが最大の欠点かなぁ。


 総評としましては、総じて観ると微妙な部分が多いけど、オカルト要素とかサスペンス要素とか『端的な部分』では割と観るべきところもあるという『非常に惜しい作品』ですね。

 全体的にはツマんないって訳でもないので、オカルト的な部分とかに期待して観る分には、過剰な期待をしなければ楽しめる作品だと思います。

 強くオススメする程ではないですが、この手のジャンルが好きであれば『そこそこ観るべき部分のある作品』だと思うので、気になるならばチェックしておいても良いレベルの一本ではないでしょうか?