■■■「リーカー ザ・ライジング」■■■
(45点/スラッシャー)
1970年代後半のアメリカ。
砂漠を走るハイウェイで『血のついた車のホイール』を発見した警官のマカリスターは、不審な車を追跡し古びた小屋へと踏み込んだところ、大量のバラバラにされた人間の死体を発見する。
小屋の中で一人の男性を発見した彼はその男性を逮捕するが、その男こそが巷で噂になっている『ドリフター』と呼ばれる連続殺人鬼だと判明。
殺人鬼は毒ガスによって死刑にされる。
それからおよそ30年後。
マカリスターの息子である新人警官のハリスは、父から保安官の業務を引き継ぐために砂漠の町を訪れるが、町のダイナーで逃走中の銀行強盗を発見。
彼は銀行強盗を逮捕するために追跡を開始するが、追跡中に正体不明の殺人鬼が出現し、無関係な人間を含めた周囲の人々が次々と殺害されていくという奇妙な現象に遭遇するが…
謎の連続殺人鬼『リーカー』の誕生を描いた、シチュエーションスリラー風味のスラッシャーホラー映画。
なんでも『リーカー』シリーズの1作目に当たるもので、既に「リーカー 地獄のモーテル」という続編も発売されている作品のようです。
(注:「リーカー 地獄のモーテル」の方が1作目で、こちらは後付け設定の2作目に当たる作品のようです。観るならば「リーカー 地獄のモーテル」を先に鑑賞することをオススメします!!)
いわゆる「悪魔のいけにえ」風味の作品かと思いきや、どちらかというと「エルム街の悪夢」的な『超常能力を持った殺人鬼』が登場する作品なのですが…
うーん、なんと言いますか…上手く理由が説明できないのですが、個人的に『物凄く微妙な作品』でした。
ストーリーや設定も割と凝ってますし、特撮のレベルもそこそこ金がかかっている感じですし、展開がそこまでダルい訳でもないのですが…いったい何が原因なのか判然としないものの、いまひとつ盛り上がらない。
中盤までが主人公たちの人間ドラマが中心で殺人鬼が画面にマトモに登場するのが結構終盤なせいなのか、サスペンス的要素の『謎解き』がラストまでなかなか行われずに途中まで『電波ストーリー』としか思えないような展開を延々と見せられるせいなのか…
とにかくずっとモヤモヤした気分になってしまい、いまひとつ楽しいと思えませんでしたよ。
ストーリーの伏線の張り方とかは上手いと思いますし、特にラストの謎解き部分は『ああなるほどね』って感じで非常に得心がいく部分が多くて面白かったのですが、自分がこの手の作品に求めているものが違うというか『コレジャナイ』感が強かったのが原因なのかなぁ?
登場キャラの個性は良く描けているのに殺人鬼に個性が全くなくて、かといってジェイソンとかほどハッチャけた内容じゃないのも一因なのかも…
映画としては総じて良くできていると思うんですが、どうにも物足りないというか…『ラーメン屋に入ったら唐突にカレー味のラーメンが出てきて、しかも意外と美味しかった』みたいな感じ?
続編も既にレンタルされてるようだけど、これはどうするかなぁ…
総評としましては、前述のとおりストーリーも割と凝ってるし特撮のレベルとかもそこそこですし、『サスペンスホラー映画』としては総じて悪くない出来の作品だと思います。
ただ、純粋にスラッシャーホラー映画として期待していると、どうにもコレジャナイ感が強くて今ひとつ盛り上がれないって、自分のような人も居るかもしれません。
お話としては、なかなか工夫された内容で見るべきところもある作品だと思いますので、『変化球』として楽しむ分にはなかなか面白い一本だと思います。
一風変わったタイプのスラッシャーホラー映画を見てみたいって人になら、結構楽しめる作品だと思うので、チェックしておいても損は無い作品ではないでしょうか?