NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「NAKED サバイバル・フォレスト」(55点/サスペンス)

イメージ 1

■■■「NAKED サバイバル・フォレスト」■■■
(55点/サスペンス)

 イラクへの派兵から帰還して休息のためにアルプスの「SHADOW」という地域マウンテンバイクでツーリングへ出掛けたデイビッドは、道中のペンションで柄の悪いハンターに絡まれていたアンジェリンという女性を助けた事から、彼女と一緒に旅をする事になる。

 しかし、ペンションでデイヴィッドたちに因縁をつけてきたハンターたちと諍い(いさかい)になった彼らは、ハンターたちに追われて森の奥へと逃げ込む事となるが、やがて彼らハンターたちは深い森の奥に潜む恐るべき存在と遭遇する事となり…



 ハンターと諍いを起こして命を狙われた若者たちが逃げ込んだ森の奥で殺人鬼に遭遇するという、サスペンスホラー映画。

 一応、「NAKED」というシリーズの一本という事になっているようですが、似たようなシチュエーションの作品を日本で勝手にシリーズ化しているだけの『なんちゃってシリーズもの』なので、実際には特に他の作品との繋がりはありません。

 お話的には、いわゆる『2段構成』の作品ですね。
 最初は『ならずもののハンターとの諍いを描いたサスペンス』と思わせておいて、実は森の奥に『別の殺人鬼』が待ち受けているという…
 この構成は、シチュエーション的にもストーリー的にもなかなか面白いと思います。

 2段構成になっているため、お話の展開が非常に早くて『途中でダレずに観れる』ってのも良いところでしょう。

 主人公たちが殺人鬼に捕らえられてからは『監禁サスペンス』っぽい展開になるのですが、シチュエーション的にちょっと詰め込みすぎの感はあって、拷問シーンにせよ、殺害シーンにせよ、ブービートラップにせよ、全体的に描写がアッサリしすぎなのは残念なところ。

 B級作品の割には映像のレベルはそこそこ高くて雰囲気やセンスもなかなか優れているだけに、全体的にホラーとしての物足りなさが残る作りなのが非常に惜しい。
 もうちょっとシチュエーションを減らして、一つの一つのシーンをもっとネチっこく描いた方が良かった気も…

 また『殺人鬼の異常性』を描くのは良いのですが、コイツが思想とか嗜好とかが何を考えてるのかサッパリ分からない(まあ、これに関しては後でオチがあるのですが…)ので、いま一つ怖さが伝わってこないのも辛いところ。

 逆にハンター役の悪党たちは、なかなか良い味を出してて笑わせてくれるのですが、あまり活躍の機会が与えられてないのは惜しいなぁ…

 ラストのオチも矢鱈と唐突すぎる感がありますし、全体的な構成とかは悪くないのに『詰めが甘い』というか、どうにも微妙に残念な部分の感じられる作品でしたよ。


 総評としましては『サスペンスホラーとしては及第点』ですし、そこそこ面白い作品だと思います。

 ただ、どうにも『ちょっと薄味』というか『物足りなさを感じてしまう作品』ってのが正直なところですねぇ。

 まあ全体的な完成度は割と高い作品ですので、この手のサスペンスホラーが好きな人であれば十分に楽しめる作品だと思いますので、予告編とかを観て気になっているのであれば、観てみても損は無いタイトルだと言えるかもしれませんね。