NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ロスト・ウィークエンド」(55点/サスペンス)

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■■■「ロスト・ウィークエンド」■■■
(55点/サスペンス)

 倦怠期を迎えたピーターとカーラの夫妻は、気持ちをリフレッシュさせるために連休を利用して大自然の中のリゾート地であるムーンダー・ビーチへと向かう事となる。

 道中で道に迷いつつも人里離れた奇妙なビーチへと辿りいた彼らは、ひとまずその場所が目的地だと判断して途中で落ち合う予定だった友人を待ちながら過ごす事となるが、ピーターが海で泳いでいる最中に水中から何者かの巨大な影が彼の元へと近づいてきて…



 倦怠期の夫婦が人里離れたビーチで遭遇する奇妙な恐怖体験を描いた、サスペンスホラー映画。

 なんと言いますか、とにかく『凄く不気味な映画』としか言いようが無いような作品ですな。

 予告とかパッケージとかを見ると、なんとなく『オカルト映画』か『生物パニック映画』のような印象を受けますが、どちらかというとサイコサスペンスに近い感じの作品かな?

 お話の内容は、基本的に『倦怠期を迎えた夫婦がバカンスに来たビーチでダラダラと時間を過ごす』という様子が描かれているだけなのですが、『何か悪いことが起こりそうな異様な空気』が延々と付きまとう中で、冷め切った夫婦の関係に徐々に亀裂が入っていくというピリピリとしたプロセスが粛々と描かれるため、観ていて物凄く不安な気持ちになれる映画です。

 実際には特に大きな事件が起こる訳でもなく淡々とした時間が描かれているだけなのですが、この『異様な雰囲気』のお陰で『ゆるやかな緊張感』のようなものが常に維持されており、中身は無いのに途中であまり退屈しないような作りになっているのは上手いですね。

 終盤の『何の説明も無い理不尽な展開』も怖いですし、オカルト的ともサイコサスペンス的とも取れて『視聴者が勝手に想像するしかない』という投げっぱなしなオチも、不気味でなかなか良い感じかと…

 ただ、ホントに『不気味な雰囲気』だけを延々と描いた所謂(いわゆる)『雰囲気映画』ですので、人によっては途中でダレてしまうかも…
 また、どう考えても『不幸な結末』しか予想できないような感じで話が進んでいくので、そういうノリが苦手な人にもちょっと辛い感じかな?

 ちなみに、本作は実は78年に制作された同名の映画のリメイクだそうですが、特撮技術やら撮影技術が未熟だった当時ではかなり上手い手法だったと思うのですが、現代にリメイクするのであればもうちょっと『盛り上がるような派手な演出』を入れても良かったかも?
 『雰囲気作り』や『お話の設定』は悪くないと思うんですけど、どうしても『古臭さ』を感じてしまう部分があったので…


 総評としましては、とにかく『ひたすらに不気味な雰囲気を楽しむ為の一本』といった感じの作品ですな。

 ぶっちゃけ、映画としての『中身』は殆ど無いような作品ですので、『シッカリしたプロットや筋の通ったストーリーが無い作品はイマイチ』という人には向かないタイプの映画かと…

 ちょっと古びた70年代風の『何だか良くわからないけど異様な感じを受けるオカルト映画』とかが好きな人ならば、『そういうノリを現代の映像で作り直した作品』って感じの一本ですので、なかなか楽しめる作品じゃないかと思いますよ。