■■■「デスドール」■■■
(65点/オカルト:結構オススメ)
大学生のベンは、ある日、2年前に死んだ古美術品を扱っていた父の遺品である『奇妙な箱』を受け取る事となる。
『ル・ヴォードゥ・モール』と書かれて、不気味な仕掛けの施された箱の正体に興味を持った彼は、大学の考古学の教授に箱の正体を調べて貰う事を依頼するが、その翌日に何者かに箱を盗まっている事に気づく。
そしてその日以降、彼の友人たちが全身がバラバラにされる等の『異常な殺され方』で変死とげる事件が立て続けに発生するようになるが、やがて教授の調査によって箱が恐るべき『ブードゥーの呪いをかけるための装置』である事が判明し…
ブードゥーの呪いをかける事ができるという『呪いの箱』を手に入れた青年が巻き込まれる恐るべき事件を描いた、オカルトサスペンス映画。
何でも海外で開催された『ホラー映画祭』とかで賞を受賞した作品らしくて、実際に内容の方もなかなか良く出来た作品ですね。
お話の内容としてはホラーというよりも、どちらかというと『学園ミステリーもの』といった雰囲気でサスペンス色が強めな印象。
『箱を盗んだ犯人は、そして箱に秘められた恐るべき秘密とは…』といった感じで、謎解きが中心に物語が展開していきホラー的な要素は弱めです。
ストーリーに関しても目新しいような要素は無くて、ぶっちゃけ中盤ぐらいでオチが簡単に予想できてしまうようなお話なのですが、お話の構成が上手くて『退屈させないテンポの良さ』と『説得力のあるストーリー展開』がなかなか良く出来ています。
キャラクターの立て方もなかなか上手いのですが、割と序盤からサクサクと主人公の友達が殺されるため、殆ど出番が無いまま殺されてしまうキャラが多いのは残念なところ。
『呪いによる殺害シーン』に関しても特撮とかは結構頑張っては居るのですが、ストーリーの流れの『オマケ』的な扱いのために、印象が薄くなってしまっているのが惜しいなぁ。
キャラクターにせよ殺害シーンにせよ、もうちょっと活躍して『見せ場』となるキャラが居た方がお話が盛り上がって良かったかも…
そういった部分も含めて、もう少しパンチが効いた内容であれば文句なしに良く出来た作品だったと思うので、ちょっと惜しい作品ではありました。
総評としましては、オカルト的な要素はぶっちゃけ『いま一歩』なのですが『学園ミステリーホラー』としては、なかなか良く出来た佳作レベルの作品だと思います。
意外性や突出した部分は無いですが、安定したストーリー構成と演出の上手さは、小粒ながらも安心して観られるレベルの良作と言えるかも?
とりあえず「スクリーム」みたいな『青春スラッシャーホラー』とか『学園ミステリー』的なノリの好きな人であればごく普通に楽しめる内容だと思いますので、そういった作品が好きならば観ておいても損はない一本ではないかと思いますよ。