■■■「ヴァナルガンド 解かれた封印」■■■
(45点/モンスター)
アメリカのクロウリーという田舎町の石油の採掘現場で、先住民の遺跡と思われる遺物が発見される。
採掘の遅れ嫌ったオーナーは遺物の爆破を命じるが大量の爆薬をもってしても遺物を破壊する事は出来ず、更には遺跡の中から怪物のような巨大なオオカミが出現し作業員の全てを食い殺してしまう。
保安官の娘で新米弁護士であるマリアは、故郷へ帰ってきた際に石油会社と先住民との採掘交渉を担当する事となるが、怪物によって作業員が虐殺されたことを知らされる。
彼女は父である保安官や旧友たちとともに事件の犯人である怪物の正体を探ることとなるが、やがて先住民の間に伝わる『牙狼』という伝説の精霊の存在を知り…
ネイティブアメリカンの遺跡から出現した巨大な『オオカミの霊』が人間を襲うという、モンスターパニック映画。
住民の意見を無視して開発を進める悪徳企業の社長が居て、無茶な開発のせいで『伝説の怪物』が蘇って…という感じの、なんというかコテコテで良くも悪くも『凄くありきたりな設定』のモンスター映画ですな。
ただコテコテな設定ながらも、全体的な完成度はそこまで悪くはない印象。
『怪物の出現』~『謎解き』~『結末』というストーリーの組み立ては悪くないですし、お話のテンポもそこそこで全体的に退屈な作品になってないのは良い感じ。
しかしお話が余りにもテンプレートに乗っかりすぎてて、意外性と呼べる要素が殆ど無いのは残念なところかなぁ?
また、怪物も『ちょっと大きいオオカミ』って程度でインパクトが無いですし、特にコレといった特技を持ってる訳でも無いので物凄く地味。
そもそもCGなのであんまり人間との絡みのシーンも多くないですし、モンスター映画としてはどうにも不満が残る作りです。
ストーリーは、モンスターの撃退方法が多少の意外性がある程度で基本はコテコテな展開ですし、ラストの展開はちょっと強引すぎるかなぁ…
また主人公側のキャラクターはそこそこ良い感じなのですが、心情の変化とかがやけに唐突で心理描写が上手く描けてない感じですし、悪役側のキャラクターに全く魅力が無いのも残念なところですよ。
コテコテなのは悪い事では無いのですが、もうちょっとどこかに『見るべき部分』があれば悪くない映画になったと思うんですが…
総評としましては、ツマんない訳ではないのですが誉めるべき要素も無くて『残念な部分』ばかりが目だってしまうという、『凡作』という評価を下さざるを得ないような作品って感じでしょうか?
まあ『凡庸すぎる』ってだけで別に酷い作品ではないので、深夜にTVとかで放映されれば観てみても良いレベルだとは思いますが、敢えてプッシュするほどの映画ではないかなぁ?
ぶっちゃけ、1年後ぐらいには記憶から消えてそうな感じの地味な内容のお話ですが、暇つぶしに『とりあえずサクっと観れるモンスター映画を観たい』ってのであれば、特に止める理由もないのでお好みでどうぞ。