NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「プレデター 2012」(40点/モンスター)

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■■■「プレデター 2012」■■■
(40点/モンスター)

 北極海の永久凍土に閉ざされたサマーセット島で200年前に沈没した沈没船の調査を行う調査隊のロスたちは、調査期限切れの迫る最後の夏に水中探索用のロボットで沈没船と思われる巨大な物体を発見する。

 彼らは満を持して氷の中から船の発掘を開始するが、船から発見された死体が『一瞬で超低温で凍結させられた』ような異常な状態である事を発見。
 更に、深夜に発掘作業を行っていた仲間の2人が同様の状態で殺害されるという事件が発生する。

 正体不明の怪物に仲間が次々と殺害されていくという異常事態の中で、調査隊員たちは、発掘された航海日誌から沈没船の中から『恐るべき怪物』が解き放たれてしまった事を知るが…



 北極海に眠る沈没船から変幻自在に姿を変える『恐るべき怪物』が解き放たれてしまうという設定の、モンスターホラー映画。

 「プレデター 2012」とかタイトルに付いていますが、もちろん本家の「プレデター」とは全く関係の無い作品です。

 ちなみにパッケージでは怪物の事を『アイスプレデター』とか説明しており、確かに『氷で出来たプレデター』としか言いようが無いような姿の怪物も出現しますし、原題にも「プレデター」って言葉が入っているので、まあタイトルに「プレデター」と付けたくなるのも分かるような作品ではあります。(そもそもプレデターってのは、単に『捕食者』って意味ですしね。)

 ただ、お話のノリ的には『氷に閉ざされた調査基地』とか『宇宙から飛来して封印れていた怪物』とか、なんとなく「遊星からの物体X」を意識している印象を受ける作品ですかね?
 ただし作品のどの部分を評価しても、あそこまでのインパクトや緊張感は全く無いですけど…

 怪物は先述のとおり『全身が氷で出来たプレデターのような姿をしており、CGで描かれているのですが、ぶっちゃけ『デザイン的なインパクト』は全く無くて、むしろ全身が『透明な氷』で出来ているため見た目には『キレイで怖さが感じられない』印象。

 しかし、この怪物の特徴はとにかく『矢鱈めったらに強い』という事。

 攻撃が体を掠めただけで人間の体内に侵入して全身を凍結させたり、ツララを矢のように飛ばして人間を串刺しにしたり、銃器で攻撃しても炎を浴びせて溶かしても全くダメージを受けずに、むしろ『霧になって狭い隙間から侵入してきたり』と手が付けれない不死身っぷり。

 人類の持っている現存の兵器では、どうやっても倒すことの出来ないような怪物なので、そりゃこんなものが本土に上陸したら数週間で人類を殲滅できるぐらいにヤバいだろう…ってのは納得です。

 ただ、『こんな無茶苦茶な怪物の登場する話にどうやってオチを付けるんだろう…』と思いきや、ラストは意外にキチンと伏線を回収しつつキレイに落としていたのはちょっと感心させられましたよ。

 まあ、オチがキレイだからといって『お話が面白いか?』と言われると、それはまた別問題。

 登場人物の人数が多い割にキャラの書き分けが上手く行っておらず、人間関係が微妙に分かりづらかったり、『極寒の基地に閉じ込められて燃料が無くなって凍死するかも?』とかって設定の割にあんまり危機感が無かったり、全体的に演出がヘボ目でツッコミどころが多いです。
 『怪物の圧倒的性能』や『主人公たちの危機的状況』を含めて大げさに風呂敷を広げた割には物凄スケールの小さいまま話が終わったりと、なんとなく竜頭蛇尾』って言葉がふさわしい感じのお話ですねぇ。

 お話のテンポの良さとか、流れの上手さとか評価できる部分もあるのですが、全体的にもうちょっと舞台の設定を活かすなり怪物の特徴を活かすなりといった、作品を面白くする方法があったのでは無いかと…

 あと、物語の途中で『気体に変身した怪物を再び氷らせるために減圧室に閉じ込めて急速冷凍する』って展開があるのですが、『気体に変身してるんなら減圧の空気と一緒に部屋から外に出ちゃうのだろ?』とツッコミを入れたくなったのは自分だけですかね?


 総評としましては、なんというか『可も不可も無い』感じのいかにも『D級ぐらいのレベルのモンスター映画』って感じの作品ですね。

 恐らくアメリカで作られたTV映画の類だと思いますが、『低予算のTV向け映画作品としてはまあ平均レベル』って感じで、物凄くツマんない訳でも無いですけど『敢えて本作を観るほどの価値があるか?』と言われると正直言って微妙なところ。

 モンスター映画が大好きな人であれば『鑑賞しようとするのを敢えて止める程のレベルでは無い』ですが、WOWOWとかスカパーとかの衛星放送なりで放映されそうなタイトルなので、そういったタイミングで片手間に観るのがベストな感じの映画ですかねぇ。