NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「エンジェルウォーズ」(60点/ファンタジー)

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■■■「エンジェルウォーズ」■■■
(60点/ファンタジー

 両親の遺産を狙う継父の陰謀で牢獄のような精神病院に入れられた少女は、そこで出会った4人の少女たちと共にこの場所からの脱出を画策する。

 彼女たちは、その計画を実現するために必要な『4つのアイテム』を手に入れるために、『精神世界』で壮絶なバトルを繰り広げていくが…



 継父の陰謀で精神病院に入れられた少女が脱出するために『精神世界でバトルを繰り広げる』という、内世界系のファンタジーアクション映画。

 …って、ストーリーの概要を聞いてもどんな映画なのか訳が分からないと思いますが、現実世界と認識が乖離(かいり)した主人公が、『現実世界』で脱出に必要なアイテムを手に入れるために『精神世界』でバトルに勝利しないといけないという『自分ルール』に則って、空想の中で戦うようなお話と思っていただければ良いでしょうか?

 お話の流れとしては、現実世界での時間の流れの中で主人公が『行動』を起こす際に、スイッチが切り替わるように唐突にシーンが切り替わるのですが、最初は演出の意味が分からずにかなり混乱しました。

 本作の特徴としては、この『精神世界』でのバトルシーンがとにかくド派手で面白いこと。

 表現がアニメ的というかゲーム的な感覚で、登場人物が物凄く激しくアクションを繰り広げる上にカメラアングルとかも凝ってて、非常に高速で繰り広げられるアクションは観てるだけで物凄く楽しいです。

 バトルの内容も、『東洋風の世界で巨大な鎧武者とヒーローアニメばりのド派手な剣戟』とか『世界大戦風の世界でパワードスーツを着てゾンビ化したドイツ軍っぽい敵と銃撃戦』とか、バリエーションに富んだ中二病的な世界観でのバトルの連発で、その手のノリが好きならば非常に楽しませてくれます。

 ちなみに、本編の6割ぐらいがこの『精神世界(妄想世界?)で戦うシーン』なので、本作の評価の『60点』ってのはそのシーンのみの点数だと思ってくれても間違いないのですが…

 問題なのは、本作の『ド派手な戦闘シーン』以外のシーンが恐ろしく退屈でツマんない事。

 ストーリーは物凄くどうでも良いレベルの展開ですし、キャラクターの内面とかも全く語られないので登場人物に個性が感じられずにキャラの魅力は薄く、加えて中途半端に捻った構成なので話の流れも分かりづらい。
 ぶっちゃけ戦闘シーン以外の部分は、早送りして飛ばしてしまっても全く問題ないレベル。

 ラストのオチも『どうしてこんな展開にしちゃったの?』って感じのスッキリしない展開だし…

 バトルシーンをあれだけ派手で爽快に描くんなら、現実世界の方ももっとカタルシスを感じられるような展開にすれば良かったのに…、ちょっと監督の狙いが分かりませんよ。

 なんで痛快なアクション映画を観たいのに、中途半端な鬱映画みたいな展開を見せられなければならんのかと…


 総評としましては、とにかく理屈抜きで『ド派手な戦闘シーン』のみを堪能する為だけに存在するような映画ですね。

 細かい内容とかは考えずに、派手な展開のファンタジーアクション映画を観たいというのであれば、かなりのレベルでその要望を満たせる作品だと思います。
 逆に『ストーリー的にスッキリしないのは嫌だ』という人や、『中身の無いアクション映画は嫌い』という人は微妙な気分になってしまうと思うので、おそらくスルーしてしまった方が良いかも?

 短編アニメとかゲームとかのノリで、『映像とアクションのみを楽しみたい』という目的に特化するのであれば十分に楽しめる作品だと思いますので、その手の映画(というより映像)を観てみたいというのであれば、オススメの一本ですよ。