劇場にて「ライフ －いのちをつなぐ物語－」を観てまいりました

　劇場にて「ライフ　－いのちをつなぐ物語－」を観てまいりました。

　本作は「アース」や「オーシャンズ」といった自然ドキュメンタリー作品を製作したＢＢＣによる新作という事で、自然ドキュメンタリー好きの人にはお馴染みの『安心のブランド』といった感じですね。

　本作の目玉は、撮影の対象となる『動物の目線で捕らえた映像』を元にドキュメンタリーを描いている事だそうですが…
　ぶっちゃけそれほど『動物の目線』といった印象は無かったものの、相変わらず『どうやって撮影したんだ』というような映像や美しい映像が多く、映像レベル的には概ね満足な印象。

　ただ、「アース」が『迫力のある映像』を中心に映像化されていたのに比べると、本作は『生物の生態（というか「生活（ライフ）」）』を中心に映像が撮影されている感じで、映像的な迫力はイマイチなので自然科学とかにあまり興味が無い人が観た場合は途中でちょっと飽きてしまうかも？
　（まあ、そんな人がこの映画を観に来るかどうかはさておくとして…）

　しかし、映像の迫力がいま一歩だからといって映画の内容がツマんないかというとそういう訳ではなく、「アース」や「オーシャンズ」は『生物ドキュメンタリーが好きな人なら割と知ってる情報』を中心に映像化していたのに対して、本作は『今まで知らなかった生物の生態』とか『初めて見るような映像』が多く盛り込まれており、個人的には非常に興味深い内容でした。

　撮影されたのが他の二作よりも新しいので『最近になって発見されたような情報』が盛り込まれたのか、或いは他の作品では取り上げられていないような情報を中心に撮影を行ったのかは不明ですが、前２作とは見所が違っててなかなか楽しめましたよ。

　また「アース」に比べると妙な『説教臭さ』が少なくて、割と淡々と事実のみを映している感じなのも、個人的には好印象だったかな？
　やはり、自然ドキュメンタリーは「ナショナルジオグラフィック」みたいに『事実を淡々と述べる』形式のものが一番面白いですし、一番心に響きますよ。
　（最初と最後に、『取ってつけたような日本語のメッセージとナレーション』が入ってたけど、アレはオリジナル版から入ってたものなのかなぁ？
　日本で勝手に付けた物だとしたら止めて欲しいんですが…あとミスチルの歌とかも要らない……）

　とまあそんな感じで、総評としましては個人的には『なかなか興味深い内容で楽しめた作品』ではありました。

　まあしかし『劇場のスクリーンで観る程の映像か？』と言われると、正直言ってちょっと微妙で『ビデオ化されるのを待っても差し支え無いレベルかなぁ？』という気持ちも…

　ただ取り扱っている映像そのものは非常に面白く、他ではあまりお目にかかった事の無いような映像も多いですので、自然ドキュメンタリー好きであれば作品自体は間違いなく観ておいて損は無いレベルです。

　また映像の質も高いですので、ビデオ化された場合でも『ハイビジョン以上の視聴環境』で視聴する事をオススメしますよ。