■■■「アイアンドアーズ」■■■
(40点/サスペンス)
銀行員のマークは、ある飲みすぎた翌日に目を覚ますと古びた銀行の金庫室の内側のような場所に閉じ込められている事に気づく。
部屋の中には鍵のかかったロッカーが一つだけ置かれて携帯電話の電波も通じない状況で、最初は友人の悪ふざけかと思っていた彼だったが、まる1日経過しても助けが来ない事から何らかの事件に巻き込まれたのでは疑念を抱くようになり…
鉄の扉で閉ざされた古びた金庫室のような場所に閉じ込められた一人の男が脱出を目指すという、ドイツ製のシチュエーションスリラー映画。
「ソウ」や「CUBE」のヒット以降、雨後の筍のように監禁タイプのシチュエーションスリラー映画が作られていますが、本作はその中でもとりわけ『なんじゃこりゃ!?』と言うタイプの作品ですな。
ストーリーの流れを言うと、基本的には『お兄ちゃんがひたすら穴を掘ってるだけ』の映画です。
若干ネタバレになりますが、登場人物はお兄ちゃん一人じゃなくて途中から2人になるのですが、特にサスペンス的な展開がある訳でもなく、やっぱり2人でひたすら穴を掘るだけという…
でも『穴を掘るだけ』の展開なんだけど、そこまで絶望的にツマんない訳ではなく、『そこそこ退屈しないような作り』になっているのは、なかなかに上手いと感じましたよ。
と言っても、じゃあ面白いかというとそんな訳でも無くて、やっぱり基本的に冗長でハッキリ言ってダルい映画ですね。
中盤辺りとかあまりに話が進展しないので、観てて途中で早送りボタンを押そうかと本気で何度か悩みましたよ…
ぶっちゃけて言ってしまえば『重要そうなシーンだけ普通に観て他のシーンは早送りしてしまっても問題ないようなレベルの作品』と言ってしまって良いかも?(笑)
お話の展開も物凄い理不尽で付いていけない部分も多くて、『何でそうなるの?』とツッコミを入れたくなるような場面が多いのですが…
『こんな映画、どうやってもマトモにオチを付けられんだろう?』と思いつつ観てたら、ラストで物凄い力技で強引にオチを付ける超展開には、かなりブッ飛んでしまいました。
ある意味で、この『衝撃の結末』を観る為だけにも、本作を観る価値はあるかも?
(もちろん『ネタ的な意味で』ですが…)
あとどうでも良いですが、主人公が『水分補給のためにオシッコを飲む』のは仕方ないかもしれませんが、数日程度なら何も食べなくても死ぬような事は無いので、無理してウジ虫とかまで食べる必要は無かったのでは…(そんなものを数匹食った程度で体力が回復するとも思えないですし…)
まあ、他の部分の『強引な展開』に比べると、物凄く些細な要素なんですけど…
総評としましては、良くも悪くも『なんじゃコリャ?』としか表現しようの無いような映画ですね。
面白いかと聞かれると、ぶっちゃけ『退屈だった』としか言いようが無いのですが、一発ネタ映画としては割とインパクトはある作品かも?
細かい事を気にせずに『ネタ映画として楽しみたい』というのであれば、そこそこ楽しめる映画ではないかと思いますので、そういう方向の映画を求めているのであれば、とりあえず観ておいて良い作品かもしれませんよ。