NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「パラノーマル・エンティティ3 エクソシズム・テープ」(15点/オカルト)

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■■■「パラノーマル・エンティティ3 エクソシズム・テープ」■■■
(15点/オカルト)

 1976年の夏、ドイツのバイエルンに暮らす一家の一人娘のアンネリーゼが原因不明の発作を起こすようになる。

 医師たちの様々な治療にも関わらず彼女の容体は一向に回復せず、あまりの特異な症状にアメリカから脳疾患の専門家が呼ばれる。

 彼らは治療の一切をビデオで記録しながら治療を行うが、それでもなお回復しない彼女を救うために、家族たちはエクソシストに依頼を行い『悪魔祓い』をすることで彼女を救おうとするが…



 『1970年代にドイツで行われた脳疾患の治療と悪魔祓いの様子』を記録したという設定の、オカルトホラー映画。

 大ヒットした低予算の実録風映画であるパラノーマル・アクティビティ」シリーズのパクリとして作られた「パラノーマル・エンティティ」シリーズの3作目に当たる作品。

 1作目からして本家の劇場公開にあわせてビデオが発売され、あからさまに『勘違いした人が観るのを狙ったパクリ映画』だった訳ですが、今回も本家の3作目の公開に合わせてビデオが発売される当たり、なんというかある意味で徹底しておりますな。

 ただ本家の「パラノーマル・アクティビティ3」は、都市伝説である『ブラッディ・マリー』(深夜に合わせ鏡の中から現れるという悪霊)が題材として使われていた訳ですが、こちらは同時期に公開されてヒットしたPOV風の悪魔祓い映画であるラスト・エクソシズム」のパクリになっている模様。

 『徹底してヒット作のパクリに徹する』当たり、ここまで行ったらある意味で清々(すがすが)しさすら感じる感じるレベルですな。

 …が、肝心の中身に関しては『存外に酷い』としか言いようが無いぐらい、掛け値なしに酷い出来の映画です。

 1作目は本家にやや見劣りする程度の良作だったので良かったのですが、2作目以降がどうしてこんなお粗末な出来になってしまったのかと小一時間ぐらい問い詰めたいレベル。

 設定としては『70年代に実際に行われた悪魔祓いの様子を医師が記録したテープ』がドイツのバイエルン州政府の保管庫から発見されたという感じなのですが、当然ながら『なんちゃって実録映画』です。

 こういうPOV形式の映画ってリアリティを出すためにグダグダした演出を入れる事が多いのですが、それを差し引いてもお話の流れが物凄くグテグテで、ぶっちゃけて言ってしまうとひたすらに退屈な映画ですね。

 基本的にお話の終盤までは何が起こる訳でもなく、医師と神父と家族のインタビュー映像みたいなのがダラダラと流されるだけ。

 その内容も、医師と神父がそれぞれに自分の立場から相手側の『宗教』や『科学』を否定して持論を語り合うばかりで建設的な要素は全くなくて、お話が1ミリたりとも前に進まないので物凄くイライラします。

 流石にソレだけではお話が成立しないので、合間にお姉ちゃんが『悪魔憑き』っぽい発作を起こしたりするのですが、コレまた演技が酷くて迫力が無く盛り上がりようも無いようなないレベル。
 映像も『70年代のフィルム』という設定なので、画像が荒くて観づらいせいでますますもって何が起こってるのかも分かりづらいし、とにかく観てて辛いです。

 お話の流れも酷くて、医師が殺されたり家族が自殺しても相変わらず医師と神父がグダグダと言い訳を言い合ってるだけで、何の盛り上がりも進展も無い。
 …というか、そんな事件があったら70年代でも警察とか来てもっと大騒ぎになるんとちゃうんか?

 オチまでバラしてしまうと、最後の展開も『少女が勝手に衰弱死して終わり』というオチも何もないようなラストで、何の解決もしないまま話が終息してしまい『いったい、この映画を観てどうしろと言うんだ?』としか言いようが無いですよ。

 ぶっちゃけ、余りの退屈さに『早送りボタンを押さないで観つづける事』に鋼鉄のような意志を要求されました。(まあ、1.5倍速での再生はしましたけど…)

 というか、途中で3回ぐらい寝てしまって一瞬だけ記憶が飛んでるんだけど、それを巻き戻して観てみようとすら思わないぐらいに酷い内容でしたよ…


 総評としては、文句の付けようが無いというか『文句の付けようしか無い』ぐらいに恐ろしいほどにツマんない映画です。
 (というか、ツマんなすぎてある意味で恐ろしいレベル。)

 お話がツマんないにしても『あまりにも酷すぎて笑えるレベル』に達しているかというとそうでもなく、ただただ『ひたすらに退屈なだけ』ですので、退屈な映画を観つづけるとエクスタシーを感じるような特殊な性癖の人ででもなければ、とてもじゃないですがオススメ出来ません。

 本気でダルいだけの映画でしたので、自分に対して苦行を課したいとか、どうしても『退屈な映画を観てレビューを書く訓練をしてみたい』という場合でもなければ、見る必要は一切無いレベルの作品だと思いますよ。