NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「モンスターズ/地球外生命体」(70点/モンスター:結構オススメ)

イメージ 1

■■■「モンスターズ/地球外生命体」■■■
(70点/モンスター:結構オススメ)

 6年前、地球外生命体の存在を確認したNASAは探査機でサンプルを採取するが、探査機は大気圏突入時に大破してカプセルの中身はメキシコ上空にばらまかれてしまう。

 それ以降、新種の地球外生命体がメキシコの一部に出現し、メキシコの半分は『危険地帯』として隔離されるようになり、アメリカ軍は地球外生命体の『危険地帯』への封じ込めに腐心していた。

 そんなある日、カメラマンのコールダーは会社の命令で、中央アメリカのサンホセの街で地球外生命体と軍の交戦に巻き込まれたせいで負傷した社長の娘であるサムを連れ帰る命令を受ける。

 病院で彼女を見つけたコールダーは列車でメキシコからの脱出を図るが、怪物のせいで交通が麻痺し隔離期間の迫る『危険地帯』の境界付近の町で、彼らの前には困難を極める旅路が待っていたのだった…



 地球外生命体が跋扈(ばっこ)するメキシコから脱出を図る2人の男女の旅路を描いた、ロードムービー風のモンスター映画。

 低予算ながらも独創的な設定とストーリーから『低予算ながらもハリウッドで絶賛されたモンスター映画』という触れ込みの作品ですが、確かにコレはなかなか面白かったです。

 ただ、狭義の意味でコレが『モンスター(怪獣)映画か?』と言われると少々疑問で、どちらかというと『怪獣をモチーフとした2人の男女のロードムービーという方がシックリ来るかも?

 お話の中で描かれるのは主に『怪獣の出没する地域で暮らす人々』の姿で、ぶっちゃけ殆ど怪獣の出番がない『怪獣の登場しない怪獣映画』といった感じで、同じ低予算の怪獣映画でも主観視点でスペクタクルを描いた「クローバー・フィールド」とは全くベクトルが違う印象。

 彼らの道中で描かれるのは『怪物の脅威に晒されながら、それでも日常を生きる人々』だったり『政府と怪獣との交戦によって巻き込まれて家を失った人々』の姿だったりと、怪獣はアクマで戦争や紛争のカリカチュアとして描かれている感じですね。

 また本作での怪獣は『自然の象徴』的なイメージとしても描かれており、突然の怪獣の襲来によって無人化した街とかの姿を見ると、『いつ私たちの身にも同じような災いが降りかかってくるかも分からない』という紛争や自然災害をイメージさせ、今のご時勢は特に身につまされる思いがします。

 そういった具合に、怪獣をモチーフとしつつもテーマ性が非常に明確に描かれていることから、荒唐無稽なフィクションながらも色々と考えさせられる部分の多い作品に上手い具合に仕上がっていると感じました。

 ただテーマとしては面白いとは思うのですが、純粋に『怪獣映画』として観ると不満点も多い作品で、最大の不満点はやはり『怪獣がサッパリ出てこない事』ですかね…

 終盤の方でちょっとだけ出てくるのですが、マトモに怪獣が暴れるシーンは全く描かれないので巨大生物の登場する『スペクタクル的なノリ』や『パニック映画的なノリ』を期待していた場合は肩透かしも良いところ。

 怪物のデザインも単純にタコとクモを合体させたような姿で、あまり魅力のあるモンスターとは言い難いのですが、物凄くデカいのでインパクトはある感じかな?

 あと、戦争や紛争、アメリカという社会への警鐘のようなテーマが分かりやすく盛り込まれているため、ある意味で『妙に説教臭い感じ』になってしまっているので、その辺が鼻に付く人は気に入らないという人も居るかも?
 個人的には『このぐらいのレベルならまあアリかな?』って感じではありましたが…
 (「アビス・完全版」とかみたいな、あからさまな説教映画は私もNGですけど。)


 総評としましては、純粋に怪獣映画として観るとイロイロとツッコミどころの多い作品ですが、『怪獣をテーマにした変り種のロードムービー』と割り切って観るならば、なかなか楽しめる映画だと言えるでしょう。

 怪獣映画が好きな人にも『こういう方向性もアリかな?』といった感じで楽しんでいただける作品だと思いますので、そういうジャンルが好きな人であれば観ておいて損は無い1本では無いでしょうか?

 まあ鳴り物入りで宣伝する程の映画では無いと思いますが、明快なテーマ性とか色々と観るべきところは多い作品ですので、気になる人はとりあえずチェックして置いても良い映画だと思いますよ。