■にゃんこ先生のスカイリム旅日記(1):「出立の日」
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俺の名は「にゃんこ先生」、この世界を旅する流離い(さすらい)のにゃんこ狩人だ。
人からはよく『猫っぽい顔をしている』と言われるが、別に猫頭になる呪いを受けているとかって訳ではなく、単に生まれつき人よりもちょっと猫みたいな顔をしているだけだ。
まあ、人の外見についてつべこべと言うもんじゃない。
ともあれ今回は俺が、北方のスカイリム地方を旅した時の思い出でも語ろうと思う。
スカイリムはシロディールの北方の寒冷地に当たる地方で、すこし高い山の上に登れば雪が降り積もり、犬は喜び庭をかけまわるような気候だが、俺は出来ればコタツの中で丸くなっていたいような地域でもある。
ともあれ、そんな過去に思いを馳せるある日、さすらいの狩人である俺は旅がてらに新たな獲物を求めて、シロディールからスカイリム地方へと国境を越える旅に出かけた訳だ。
しかし、俺の旅は初っ端でいきなり頓挫してしまった。
一緒に旅をしていた連中が、どうやらスカイリムを統治する「帝国」に楯突く「反乱軍」だとかで、国境越えのゴタゴタに巻き込まれて俺も逮捕されてしまったのだ。
拘束され馬車に乗せられて、本物の「反乱軍」らしき連中や、俺と同じくとばっちりで逮捕された「盗賊」どもと一緒に帝国軍の砦らしき場所に運ばれる事になった俺たち。
勿論、俺が「反乱軍」だとかって話は誤解なので、まあ同じ人間同士だし話し合えば分かってもらえるだろう。
まあ、俺の見た目は猫に見えるかもしれないが…
まあ、俺の見た目は猫に見えるかもしれないが…
しかし、そんな風に高を括っていた俺だったが、砦に付いたとたんに自分の考えがヴェルタースオリジナルのキャンディのように甘いものだと思い知らされた、帝国の奴らは馬車に乗っていた連中を釈明の余地もなく処刑し始めたのだ。
おいおいマジかよ、最初の奴は断頭台に載せられて問答無用で斧で首を切り落とされてるじゃないか。いくらZ指定(18禁)ゲームだからといって、こんな『ポロリ』のサービスはまっぴらゴメンだぜ!!
あまつさえ、俺と一緒に連れてこられた盗賊は『俺は反乱軍とは関係ないんだ!!』と言いながら走り出すという、見事なまでの死亡フラグを立てて兵士にアッサリと殺されるし…
ともあれ処刑の順番が近づくにしたがって、いよいよ俺も万事休すかと思われたその時、上空から大気を揺るがすような咆哮が聞こえた。
何と、巨大なドラゴンと思われる見た事もないような生物が、見張り搭の上に飛来し兵士どもを次々と襲い始めたのだ。
エラそうにしていた帝国軍どもだが、所詮は辺境に配備されるレベルのザコの一般兵士、いかにも『ボスキャラ』といった風情のドラゴンに適う訳もなく次々と打ち倒されていく。
一瞬にして大混乱におちいる砦と兵士たち…
まあ俺自身も混乱に陥った訳だが、そんな中で反乱軍と思しき一人の男が俺に声をかけてきた。
どうやら、この混乱に乗じて砦からの脱出を手引きしてくれるようだ。
どうやら、この混乱に乗じて砦からの脱出を手引きしてくれるようだ。
俺はひとまずこの男を信用し、混乱を極めるこの場から脱出すべく、男と共に砦の中にある地下道を目指して逃げ込んだのだった…
(続く)