■■■「アンダーグラウンド」■■■
(45点/モンスター)
戦場からの帰還兵であるストームは、同じ帰還兵であるマットと再開するために、恋人のミラと共に『陸軍基地の跡地』で行われているパーティに訪れる。
無事に再会を果たした彼らだったが、会場でふとした事からギャングに絡まれてしまい、トラブルへと発展。
ギャングに追いかけられた彼らは仲間と一緒に軍の地下施設へと逃げ込むが、逆にギャングによって入り口の鍵を閉められてしまい、地下へと閉じ込められてしまう。
彼らは地下施設からの出口を探して施設の中を探索する事となるが、その場所は軍の実験によって作られた恐るべき実験生物が解き放たれ、放棄された施設だったのだ…
軍の放棄した地下施設へと迷い込んだ若者たちが正体不明の怪物に襲われるという、モンスターパニック映画。
うーん何といいますか別に悪くは無いんですが、なんともありがちな映画ですな。
地下施設という閉鎖環境で若者たちがゾンビ風味のモンスターに襲われるというお話なんですが、ホントに『ただそれだけの映画』です。
施設をさまよい歩く若者たちが、突如として現れた怪物に一人また一人と殺されていくって感じの展開で、登場人物は多目なので襲撃シーンの回数も多く盛り上がるシーンはそこそこあるのですが、見せ方に特に工夫がある訳でも無いので、ぶっちゃけ途中で飽きてきてしまいます。
一応、中盤でちょっとだけ捻った方向に話が進むものの、それほど意外性があるって訳でもなく、ブラックユーモアやウィットが利いている訳でもなく『だから何なんだ?』って感じの展開なので、何とも凡庸な作品と言う印象を強めてしまっている感じ…
怪物のデザインはゾンビというよりグールといった感じで、同じ地下つながりで「ディセント」の穴居人と近いイメージ…というか異様にすばしっこく身軽な動きとか、明らかに「ディセント」を意識して作られてると思うのですが、とてもじゃ無いけど本家ほどの迫力は無いのがなぁ。
また、怪物の見せ場である襲撃シーンに関しても『どこかに連れさられて遠くの方で殺される』というパターンが多いので、いまひとつ盛り上がりに欠けるんですよね。
登場人物のうち2人が元軍人と言う設定なんだし、もっとガチンコでモンスターとやり合うようなシーンとかがあっても良かったと思うのですが、基本的に主人公たちが防戦一方なのが盛り上がりの無さを助長しているような気がするので、その辺でもっと緩急を付けた展開に出来なかったもんかなぁ?
ただ全体的に微妙なものの、ラストの少しだけ捻りの利いたオチは悪くは無かったかも?
まあ、どこかで聞いたような設定に、どこかで見たようなモンスターに、そして中身の全く無いストーリーと、B級映画らしいと言えばB級映画らしい作品ではあるのですが、もうちょっと『この作品ならでは』という個性があれば、それなりに面白い作品になったんじゃ無いかと思うので、そういう意味ではちょっと残念な作品だったかな?
総評としましては、コレといった個性が感じられないのが難点の『今ひとつ盛り上がりに欠けるB級モンスター映画』って感じの作品です。
全体的に『どこかで見たようなシーン』の連続で、コレといった押しになる部分が弱いのが難点ですかねぇ…
まあ、とりわけ酷い出来では無いので暇ならば見てみても良いレベルだとは思いますが、特に得るようなものも無いので敢えて本作を選ぶ理由も思いつかない感じ…
廃墟となった地下施設を探索してまわる雰囲気とかは悪くは無いので、予告とかパッケージとかを見て、どうしても気になっているようであればチェックしておいても良いってレベルの1本じゃないでしょうか?