■■■「51【フィフティ・ワン】」■■■
(45点/モンスター)
『墜落したUFOとエイリアンの死体が隠ぺいされている』とウワサされる米軍の秘密区画「エリア51」に遂に取材の許可が下りる事となる。
取材陣であるレポーターのサムや作家のクレアたちは、実際に何らかの秘密があるのでは無いかと疑いつつも担当の士官によってエリア内の案内を受けて回るが、その最中に秘密エリアに捕らえられていたエイリアンの一人が逃亡。
触れた相手の姿へと変幻自在に姿を変えるエイリアンの逃亡によって、基地は大混乱へと陥って行くのだった…
『エリア51』内の空軍基地で囚われたエイリアンが逃亡し大パニックを引き起こすという設定の、モンスターホラー映画。
この手のB級SF映画ではお馴染みのSyfyチャンネルの作品ですね。
いつも割と低予算で箸にも棒にもひっかからないような作品を連発する製作会社ですが、本作はここの製作会社のTV映画としては割と予算がかかってる感じで『他の作品に比べると割と普通に見れるレベル』にはなってる作品かも?
宇宙人は『自在に変身するタイプ』と『矢鱈と凶暴な怪獣タイプ』と『リトルグレイタイプ』の3種類が登場するのですが、宇宙人側が一枚岩ではなくてストーリーに『サスペンス的な要素』が入っているのはなかなか面白いですね。
ただ特撮に関しては思いっきり低予算で、主に人間を襲う担当で『主役』とも言える『怪獣タイプ』が思いっきりチープな着ぐるみなのは辛い。
手に竹馬みたいのを履いた4つ足スタイルなのですが、バランスが悪そうにヨタヨタと歩く姿は『もうちょっと気合を入れて作れよ』とツッコミを入れたくなるレベル。
デザイン的にはグレイに「エイリアン」っぽいゴテゴテした外骨格と尻尾を足したみたいな姿なのですが、物凄く『着ぐるみ』です本当に有難うございました…ってレベルの代物で、とてもじゃないけど軍隊相手に戦えるほど強そうに見えません。
というか『グレイ』と『変身タイプ』はさておき、宇宙を航行する宇宙船の乗員に何ゆえにこんな怪獣みたいな生き物が混ざっているのか…ハッキリ言って謎すぎます。
内容に関しても、ストーリーはそこそこ凝ってはいるんですが全体的にちょっと盛り上がりに欠ける展開で、特に前述の『怪物タイプ』のエイリアンがショボいおかげでアクションシーンが盛り上がりようもないのが辛いですね。
終盤の『何故、宇宙人たちが逃亡を企てたのか』とかが判明するくだりとかはそこそこ面白かったので、『変身タイプ』をメインにしたサスペンスにした方がお話もスッキリとまとまってて良かったんじゃないかなぁ?
まあ、製作者側としては『色々と面白そうな要素を詰め込みたかった』のかもしれませんが…
総評としましては、内容や狙ってる方向は悪くないとは思うのですが、とにかく『チープな印象を受けるB級モンスター映画』って感じの作品ですね。
逆にチープさを許容できるのであれはSyfyチャンネルの作品としてはそこそこ見れる内容ですので、既にここの映画を何本か観たことがあって『我慢できる』というのであれば、それなりに見る価値はあるかもしれません。
でも、正直言って『TV映画でタダで観れるなら拾い物』って感じでなら楽しめるレベルの作品ですし、B級というよりはC級レベルのクオリティではありますので、どうしても気になっているのであれば『お好みで』といった感じの1本だと言えるでしょう。