(60点/アドベンチャー)
パプワニューギニアの原生林にある人跡未踏の巨大洞窟であるエスペリト・エサーラの探検に、著名な探検家である父の指揮する探検隊に息子であるジョシュは参加する事となる。
彼らは『洞窟の底にある地底湖が海へと繋がっている』と推測し、その海への通路を探す為に調査を続けるが、予期せぬサイクロンの到来により洞窟の入り口が濁流飲み込まれてしまい脱出不能となってしまう。
このままでは洞窟に流れ込んでくる水によって地底のベースキャンプに居る全員が溺死してしまうと知った彼らは、洞窟が水没してしまう前に『海に抜けるルート』を発見して脱出を図ろうとするが…
トラブルに巻き込まれた洞窟調査を行う探検チームが、なんとかして地上への脱出を目指そうとするという、冒険サスペンス映画。
ジェームス・キャメロン製作の割にはあまり話題にもならなかった作品ですが、まあ確かにそこまで話題になるような映画では無いですね。
お話としては純粋な『探検もの』映画という感じで、謎の地底生物とか地底人とかは登場しません。
パニック状態から来るサスペンスとかはありますが、基本的には割と地味な内容の作品です。
ただ、地味ながらも『洞窟の映像』は非常にキレイで、映像を見てるだけでもなかなか迫力があり見ごたえがあるのは良いですね。
閉塞感のある洞窟だけではなく、地底湖があったりロッククライミングをしたり開けた場所があったりと、色々ととバリエーションを見せようとしているのもなかなか良い感じ。
(特に本作のウリにもなっている『地底湖』をダイビングするシーンは神秘的で美しいです。)
といっても基本は『岩ばっかりの場所』なので、ちょっと飽きてきますけどね。(笑)
お話のメインの流れは、極限状態による『シビアなサバイバル』と主人公と父親の『親子の確執』を描いたドラマという感じ。
この人間ドラマの部分は、なかなか良く出来ており主人公と父親のキャラクターは良く描かれていると思います。
(ただしっかり描かれている故に、紋切り型すぎて途中でちょっと展開が読めてしまうのは難点ではありますが…)
ただ、サスペンス要素に関しては正直言ってちょっと微妙。
今ひとつ『緊張感を盛り上げる演出』がヌルくて、全体的にどうにも盛り上がりに欠ける感じなんですよね。
また全体的にテンポがイマイチで、特に序盤が冗長な印象を受けたのも残念なところかな?
この辺がもうちょっとシッカリと作られてて、もっと迫力のある『危機的状況』がスピーディーに描かれてたら緊張感のある面白い内容になったんじゃないかと思うのですけどね。
総評としましては、そこそこ良く出来ているんだけど『決め手』に欠ける『地味な印象の佳作冒険映画』って感じの作品ですねぇ。
『洞窟の映像の美しさ』とか見るべき部分もありますし悪くは無いんですが、そこまで持ち上げるほど面白くも無いと言うか…
むしろ映像が良く出来ている作品なので、劇場で見ておけば印象が少し違っていたかも?
まあ派手さは無いものの、それなりに普通に面白い作品ではありますので『洞窟探検もの』とか『冒険ドキュメンタリー』系の作品が好きな人であれば、とりあえずチェックしておいても損はしない作品だと思いますよ。