NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「人喰い怪物ゴブリン」(55点/モンスター)

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■■■「人喰い怪物ゴブリン」■■■
(55点/モンスター)

 地域開発のためにハロウインを間近に控えたホローグレンという田舎町に引っ越してきたニールたちの一家は、最初はごく普通に住民から歓迎されるものの家族に赤ん坊が居ると知ったとたんに、町の老人たちから直ぐに町から出て行くように警告されてしまう。

 住人たちの奇妙な態度に戸惑いを覚える彼らだが、やがて住民からこの町に伝わる恐るべき伝説を聞かされる。
 それは、かつてこの町に住んでいて自分の赤ん坊を殺された魔女の呪いによって、『ハロウィンの日に怪物が赤ん坊を奪いに来る』という不気味なものであった…



 ハロウィンの日に赤ん坊を攫い(さらい)に来る怪物と子供を守ろうとする家族の戦いを描いた、モンスターホラー映画。

 このところ連続でリリースされている、LIONGATEによる『UMAシリーズ』の第4弾に当たる作品だそうですが…
 いやいやモスマンマンドレイクはともかく、ゴブリンがUMAってのは流石に無理があるだろ。(笑)

 内容としては、タイトルに付いているとおりRPGとかでお馴染みの『ゴブリン』が人間を襲うというお話なのですが、一般にゴブリンというと子供ぐらいの体格の『子鬼』を連想しますが、本作のゴブリンは身長が2mぐらいある巨漢で『どこがゴブリンやねん!?』というぐらいの肉体派として描かれています。

 『子供を攫う』という設定も『ブギーマン』とか『子取り鬼』っぽい感じですし、なんか色々と設定が混在してる印象ですね。

 まあ設定に関してはさておき肝心のお話の方ですが、意外と『ちゃんとしたモンスターホラー映画』として描かれています。

 子供を攫う怪物という設定の割には、襲われるのは子守で留守番をしている若者たちばかりだったりと、ちょっとストーリーに違和感を感じる部分はありますが、後半でキチンと納得のいく展開になってストーリーに整合性が取れてるのは、なかなか上手いです。

 お話の展開も、ちょっとだけ意外な『サスペンス的な要素』があったりと、イロモノっぽいタイトルの割には思った以上にシッカリと作られている印象。
 (いやまあ、イロモノっぽいタイトルは勝手に日本の配給会社が付けてるだけですけど…)

 ただ特撮や映像に関しては不満の残る部分も多く、ゴブリンが普段は足まで隠れるローブと被っているため、単に『ローブを被った大男』にしか見えなくて今ひとつ見た目に面白さが無い事(まあ特撮の費用を節約するためなんでしょうけど…)や、グロ度が高い割には死体とかが物凄く作り物っぽくて迫力が無いのは難点かなぁ?

 あとゴブリンがあまりにも強力すぎて被害者が物凄くアッサリ殺されてしまうので、襲撃シーンがイマイチ盛り上がらないのも残念な部分かも?
 着ぐるみをメインで特撮を撮るんなら、もっと人間との絡みを増やして襲撃シーンに迫力を持たせて欲しかったところです。

 ストーリーに関してもラスト付近までは結構盛り上がるのですが、最後が矢鱈とアッサリしてるのは惜しいところですね。
 ゴブリンとの対決シーンとか、クライマックスでもうちょっと派手な展開があっても良かったんじゃないかと…


 総評としましては、B級で低予算路線ながらも『悪くない出来のモンスターホラー映画』って感じの作品ですね。

 特筆するほど誉めるような要素も無いですが退屈しない程度には観れる内容ですので、この手のモンスターホラーが好きであればそれなりに楽しめる作品では無いでしょうか?

 とは言っても『B級とC級の境目』ぐらいのレベルの作品ですので期待は禁物ですが、こういったジャンルが好きで『興味があればチェックしてみても良い程度の一本』かもしれませんよ。