■■■「赤い珊瑚礁 オープン・ウォーター」■■■
(35点/生物パニック)
兄と恋人と共にオースオラリアへと旅行に訪れたケイトは、友人のルーク達ののクルーザーでグレートバリアリーフへとクルージングに出ることとなる。
しかし、ふとしたトラブルからクルーザーは暗礁に乗り上げで転覆。
殆ど人の訪れない海域で無線も使えないまま洋上に取り残された彼らは、一番近くの島まで20kmの距離を泳いでたどり着こうと考えるが、その海域は世界最大の人食いザメである『ホオジロザメ』が多数棲息するエリアだった…
船が転覆したせいで洋上に取り残された人々が人食いザメの脅威に晒されるという、生物パニック映画。
何か「レッド・ウォーター サメ地獄」と「オープン・ウォーター」を足して2で割ったようなタイトルですが、もちろん元々のタイトルからして「オープン・ウォーター」シリーズとは全く関係の無い作品です。
つか、日本の配給会社が『海上に取り残される』というシチュエーションの作品に勝手に「オープン・ウォーター」というタイトルを付けてるだけで、今までのシリーズからしてシリーズでも何でも無いんですけどね。
肝心の本作に関してですが、パッケージのイラストと『赤い珊瑚礁』というタイトルはインパクトがありますが、内容のほうはハッキリ言って物凄く地味な作品ですね。
漂流するのがメインの展開なので当然ですが、基本的に本編の7割ぐらいの時間はプカプカと海に浮いているだけ、サメの襲撃も殆ど無くてとにかく退屈なシーンが多いです。
サメに襲撃されるシーンでも襲われた人間はアッと言う間に食われてしまうので、なんとも盛り上がりに欠ける印象。
まあ、武器も持たずに海の上にプカプカ浮かんでるだけの人間がホオジロザメに狙われたら、実際には成す術も無く食われてしまうんでしょうけど、もうちょっと盛り上げるような演出があっても良かったかなぁ?
サメの映像とかはリアル(というか実写?)で迫力があるんですが、どうにも見所が少なすぎるのはいただけません…
かと言って、他の部分で『人間ドラマ』のようなものがあるのかと言われるとそうでもなく、登場人物の全員が割と良識人なので全体的に緊迫感やサスペンス的な要素も殆ど無いのは困り者。
また『20km先の陸地を目指す』という明確な目標があって、そこまで悲惨な状況でも無いためにイマイチ緊張感や絶望感に欠けるのが、どうにも盛り上がりに欠けるんですよねぇ。
(ちなみに浮力のあるドライスーツを着てるので、溺れる心配は殆どありません。)
『実話をベースにしたストーリー』という事なので、実際にそういうシチュエーションだったのかもしれませんが、それが『ドラマとして面白いか?』という点では何とも言えない部分ではありますな。
(まあ自分が現実に遭遇したら、ムチャクチャ怖いとは思いますが…)
ラストもオチも何も無いような投げっぱなし風味な終わり方ですし、単に『漂流、時々サメ』みたいな映画になってしまっておりパッケージのインパクトの割には期待はずれな内容でしたよ。
総評としましては、観れないほど酷くは無いのですが基本的に『冗長で退屈な映画』というのが正直な感想ですね。
内容的には「オープンウォーター」の2番煎じという感じでも無いのですが、目新しさが感じられる訳でも無いので、初代の「オープンウォーター」を観ておけば『別に観なくても良いかな?』って程度の作品ってのは事実ですねぇ。
まあ、この手の『実話に基づくフィクション』系の作品だ好きな人や、シリーズを欠かさず観るぐらいにこの手のシチュエーションが好きな人ならば、とりあえずチェックしておいても良いかも?ってレベルの映画だと思います。