NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「コンテイジョン」(65点/パニック)

イメージ 1

■■■「コンテイジョン」■■■
(65点/パニック)

 香港を発生源としたと思われる、脳炎を引き起こす未知の致死性ウイルスが発生。

 CDC(疾病対策センター)やWHOはウイルスの正体を突き止めワクチンの開発を急ぐが、ウイルスは瞬く間に世界へと拡散していき、政府による隔離措置や相次ぐ死者から不安や恐怖にとらわれた市民たちはパニックに陥り、やがてその混乱は都市全体へと広がっていき…



 未知のウイルスの感染拡大(パンデミック)によるパニックと恐怖を描いた、伝染病を題材としたサスペンス風味のパニック映画。

 いわゆる新種の伝染病によるパニックを描いた作品なのですが、SF的な要素があったり感染者がゾンビ化したり…なんて事はし無い、しごく全うな医療サスペンス作品ですね。

 お話のノリとしては『ドキュメンタリー風味のある社会派ドラマ』のような作りで、かなりリアリティのある感じにお話が進んでいきます。

 実際に『新種の致死性ウイルスのパンデミック』が発生した場合に、CDCやWHOがどういう活動を行うかまた政府がどういう対応を取るか、というのがシミュレートされているような感じでなかなか興味深いですね。

 ワクチンの製造の承認期間の問題とか供給できる本数の問題とかは、現実でも危惧されているお話なので、なかなかリアルで怖いところがあります。
 (まあ『市民の間にどういったパニックが広がるか』等の部分は、完全に想像に過ぎない感じではありますけど…)

 『鳥インフルエンザ』とかが話題になり、パンデミックの危険なんかが危惧されている昨今ですが、実際にパンデミックが発生した際に『政府機関とかがどういった対応を取れるのか』という事を知る参考に観てみても良い作品かも?

 ただお話はリアルで面白いのですが、その反面で『派手さに欠ける』のは辛い部分ではありますね。
 病気の症状も「エボラ出血熱」とかみたいなインパクトがある訳では無いので、そういった部分での盛り上がりには欠けます。

 ストーリー的にも『群像劇』のような風味があるので、明確な主人公が存在せずにコレといったオチが無いという部分も人によっては不満に感じるかも?

 また序盤とかは、そこまで細かい説明の無い医療の用語がとかが飛び交うシーンがあるので、ちょっと分かりづらい部分があるかもしれません。
 (何で『ゼロ号患者』を必死に突き止めようとしてるのか等に関しては、最後まで明確な説明が無いですしね。)

 社会派ドラマを狙った方向性なのでしょうが、色んな意味で『もう少し分かりやすい作り』の方がウケは良かった気はしますね…


 総評としましては、パニック映画としては若干物足りないですが『サスペンス風味の社会派ドラマ』として観るならば、なかなか面白い作品だと思います。

 派手さは無いですが、こういった医療系のサスペンスとかが好きな人であれば、なかなか楽しめる作品ではないでしょうか?

 「アウト・ブレイク」とか「ホットゾーン」が好きだった人であれば、間違いなく楽しめる作品だと思いますので、そういう映画が好きな人はチェックしておいて損は無い一本と言えるでしょう。