劇場にて「逆転裁判」を観てまいりました。
ゲーム好きな人ならお馴染みのCAPCOMの同名タイトルのADVゲームの映画化作品ですが、全体的な評価を最初に言ってしまうと『思ったよりもシッカリと映画として作られてるな』という印象。
この手のゲーム作品を映画化すると、もともと非常に長いストーリーを映画の尺に収めなければならないため、ストーリーとかが改変されたりグテグテになったりする事が多いのですが、割とキチンとゲーム本編(1作目)のシナリオを割と忠実に再現している(まあ流石にかなりカットされてる部分はありますが)のは良い感じ。
ただそれの弊害というか…とりあえず『お話が長い』そして『詰め込み過ぎ』な部分を感じてしまうのは辛いところ。
2時間15分も尺がある上にかなり駆け足で話が進む感じの構成なので、観ててちょっと疲れてしまいます。
また、それだけ詰め込んでも説明不足の部分もあり、特にキャラクターの個性に関しては描ききれていないのが厳しいですね。
ナルホドくんとミツルギとかは良いのですが、マヨイとか完全に空気扱い。
その割には物凄く奇抜な格好をしてるので、妙に浮いてしまっている印象も…
その割には物凄く奇抜な格好をしてるので、妙に浮いてしまっている印象も…
謎解きに関しても、ゲームの方では『自分で調べた証拠を提示していく』というシステムなので納得が行く構成なのですが、映画では当然ながらそのプロセスは無いので割と唐突に証拠や証人が出てくる感じで、ちょっと違和感は感じてしまいました。
(特にゲームをプレイしてない人だと、この辺の違和感は強く感じるかも?)
(特にゲームをプレイしてない人だと、この辺の違和感は強く感じるかも?)
また、元々がゲーム用に作られたシナリオなので仕方ないのですが、お話の流れに少しブツ切り感がある事や、全体的なミステリとしての構成が甘く感じてしまうのは仕方ないところでしょうか…
先日に観た「ドラゴン・タトゥーの女」が、この辺の『観客に推理させつつストーリーを展開していく』という構成が凄く見事だったので、元々のメディア(媒体)が違うとは言え、ストーリーテリングの上手さでは小説には適わないのは仕方ないですな。
この辺は、やはり『ゲームのシナリオを映画化する事の難しさ』のようなものは感じさせられました。
あと割とどうでも良い部分なのですが、三池監督が撮っている事もあって監督の趣味なのか何なのか『オカルトっぽい描写』のシーンの映像が妙に怖い。(笑)
原作がコミカルなタッチなので、この辺の印象の違いは肌に合わない人も居るかもしれません。
(というか、小学生とかが観たら普通に怖がりそう…)
原作がコミカルなタッチなので、この辺の印象の違いは肌に合わない人も居るかもしれません。
(というか、小学生とかが観たら普通に怖がりそう…)
総評としましては、純粋に映画としてみると『詰め込み過ぎ』なところとか『ちょっと展開が強引すぎる』と感じる部分などのツッコミどころはありますが、『ゲームの映画化作品』という点で評価するならばなかなか良く出来た作品だと言えるでしょう。
原作を知ってればそこそこ普通に楽しめる作品だと思いますので、ゲーム版が好きで気になっているのであればチェックしておいても良い作品かもしれません。
逆に原作を知らないと分かりにくい部分もあると思いますので、そういう人であればビデオまで待ってからゆっくり観る程度でも良いかな?
まあ、もともと映像化が難しい作品だったと思うので『良くまあ上手くまとめたなぁ…』という意味では、なかなか好感触な作品ではありましたよ。