NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ホステル3」(55点/スラッシャー)

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■■■「ホステル3」■■■
(55点/スラッシャー)

 バチェラーパーティー(独身最後のパーティー)としてラスベガスに男友達4人で遊びに来たスコットは、カジノで出会った2人の女性から廃工場を改造した秘密のクラブへと案内される。

 しかしクラブで仲間の一人が娼婦と一緒に行方不明となった事から、行方を追ううちに彼ら自身も何者かによって拉致されてしまう。

 拉致された彼らが運び込まれた場所は、大富豪たちが誘拐してきた人間を殺して『殺戮ショー』を楽しむという、恐るべき地下クラブだった…



 誘拐した人間を虐殺するというショーを行う地下クラブの恐怖を描いた、過激な残虐描写が売りのゴアホラーシリーズの第3弾。

 シリーズ3作目という事ですが、今までのシリーズとは随分と毛色の違う話になっている印象ですねぇ。

 何が変更になったって、本作の根幹である『地下クラブ』のシステムそのものが大きく変わってしまっている感じ。

 確か1~2作目では『高い金を払って誘拐した人間に自らの手で拷問を行う』という、『サディスティックな変態の集まる場所』だったと思うのですが、本作では単に『処刑人による虐殺ショーを見物する場所』になってしまっています。

 おかげで1~2作目にあったような、過激なブラックユーモアが感じられなくなっており、この辺りはシリーズのファンからは割と批判を受けそう?

 また舞台がヨーロッパから北米になったのも含めて、前作までの異国情緒のある『別世界的な怖さ』が感じられなくなった事も『なんだかなぁ?』という印象を受けますね。
 (もともと『バックパッカーの都市伝説』がモチーフなので、アメリカ本国を舞台にしちゃダメだと思うんですが…)

 あと一番の不満点を上げるなら、今回はシリーズの最大のウリである『残虐シーン』に今ひとつ面白味が無い事かなぁ?
 流石に3作目ともなるとネタ切れ気味なのか、『あまり芸の無い殺し方』とか『それは無理だろう?』って感じの殺し方ばかりでイマイチ盛り上がりません。

 犠牲者も割とスグに殺されちゃうので、『サディスティックな拷問シーン』を楽しみにシリーズを観ていた人には相当物足りない感じになっているかも?

 ただ本作で今までのシリーズよりも良くなった部分も無い訳ではなく、まず良くなった点としては『ダラダラと間延びした展開で無くなった事』かな?

 「ホステル」の1~2って『シリーズの伝統』なのかと思うぐらい序盤の展開がダラダラとしてダルかったので、テンポ良くお話が進むようになってダレた印象が少なくなったのは良いところ。

 あともう一点の良くなったと感じた部分は、今回は『キチンとしたストーリー』がある事。

 コレはまあ、ストーリーを持たせたせいで『今までのシリーズのような理不尽な怖さが減ってしまった』と取れる部分でもあるので賛否ある部分かもしれませんが、個人的には『続編としてはコレぐらいの方向転換はアリかな?』とも思ったので割と好印象な感じでしたよ。

 しかし本作も『続けようと思えば延々と続けられそうなシリーズ』ではありますが、3作目に及んで何か印象が薄くなってしまった感じなので、このシリーズもそろそろ撃ち止めですかねぇ…


 総評としましては、普通に『楽しめる部分』も有るのですが『イマイチな部分』も多く感じられるという印象なので、『シリーズを好きだった人ほど物足りなさを感じてしまう作品』かも?

 今までのシリーズほどのケレン味の強さが無くなってしまい、良くも悪くも『普通の監禁物ホラー』になってしまった感じなので、今までのシリーズよりも観やすくなったとも言えるかも?

 全体的には『悪くは無い出来』なので、とりあえずその手の作品が好きであればとりあえずチェックしておいても損は無い一本だと思いますが、シリーズへの思い入れが強いと肩透かしを食らうかもしれませんので、その辺に過剰な期待をしなければそこそこ楽しめる映画ではないでしょうか。