■■■「ドリル・マーダーズ 美少女猟奇殺人事件」■■■
(65点/サスペンンス:結構オススメ)
森でランニング中にヨハナという少女が、電動ドリルを持った男に襲われてドリルで頭に穴を開けられて殺害されるという事件が発生する。
しかし死んだと思われていた彼女は、検死前に奇跡的に意識を取り戻し植物人間のような状態で生きながらえる事となる。
ヨハナの父のモルテンは、同様の残虐な手口で犯行を繰り返す犯人を逮捕できない警察に業を煮やして、独自の調査で犯人を突き止めようとするが、事件は徐々に予想外の展開を見せて行き…
人間の頭にドリルで穴を開ける事によって犯行を繰り返す謎の殺人鬼の恐怖を描いた、サスペンスホラー映画。
パッケージやあらすじから、てっきり普通のスラッシャーホラーなのかと思って借りたのですが…いやはや完全に予想を裏切られましたよ。
端的に言うと、良い意味でも悪い意味でも『何じゃコリャ!?』というような作品です。
冒頭が『サイコキラーもの』っぽい導入部分の展開なので、てっきり連続殺人鬼ものの映画なのかと思いきや、中盤からは『娘を廃人にされた父親の復讐もの』のような展開で、割と本格的なサスペンスっぽい展開に…
ここから先はネタバレになってしまうので詳しくは語りませんが、更に二転三転する意外な構成で、とにかく最後までテンションの高い作品です。
ストーリーがどんどん予想の斜め上方向に進んでいく感じで、そこまでハイテンポの作品では無いのですが全く退屈せずに最後まで観れたのは良かったです。
また意表をつく展開の連続ながら、お話の方が『色々と予想外の展開を無理やり詰め込んだだけ』という訳では無くて、それぞれの要素が割とシッカリと作られているのは好印象ですね。
ホラーとしても演出がシカッリとしてて割と怖いですし、また中盤の『父親が娘の思い出にひたるシーン』とかも物悲しい感じが良く出てて主人公を応援したくなるのは良い感じ。
被害者の頭を頭蓋穿孔して謎の薬物を流し込んで『植物状態にしてしまう殺人鬼』(植物状態だから実際には死んでないんだけど)って設定も、なかなか不気味で嫌な感じです。
ただ終盤にかけての展開があまりにトンデモすぎて、人によっては展開に付いていけなくて『置いてきぼり状態』になっちゃう可能性があるのは辛い部分かも?
個人的には『おいおい、そんなのアリかよ!?』って感じでなかなか楽しかったですが…
あと終盤までは面白いのですが、ラスト付近の展開がちょっとグテグテすぎる感じで、途中で『マトモなオチが付かないんだろうなぁ…』ってのが予想できてしまうのは残念な部分かな?
ここまで斜め上の展開にするなら、オチももっと斜め上な感じでシッカリとしたオチを付けて欲しかった気もしますよ。
総評としましては、色々とツッコミどころは多いですが想像の斜め上を行く作りの『色んな意味で面白い作品』だと思います。
自分はなかなか面白いと感じましたが良くも悪くも『賛否両論ある映画』といった印象かなぁ?
欧州系の作品なので、中身の方もいちいちアクも強いですしね…
正統派のサスペンスとかホラーを期待してるとコレジャナイ感を感じてしまうかもしれませんが、ちょっと毛色の変わったサスペンス映画とかが好きな人ならば、観ておいて損は無い一本だと思いますよ。
個人的にはこういうトンデモなノリは嫌いじゃ無いので、割とオススメの作品です。