■■■「カウボーイ&ゾンビ」■■■
(25点/モンスター)
開拓時代のアメリカ西部。
腕利きの賞金稼ぎであるモーティマーは、強姦殺人の罪で賞金首となっているネイティブアメリカンの『ブラザー・ウルフ』という男を追ってウィスキー・タウンという町へと訪れる。
賞金首の囮にするためにリアノンという少女を人身売買の商人から買って、ウルフの棲家へと向かった彼だったが、そんな矢先に町へと奇妙な隕石が持ち込まれ、その隕石から発生したガスを吸った人間が次々とゾンビと化して行き…
アメリカ西部の開拓時代にゾンビが出現し、カウボーイとネイティブアメリカンの戦士が力を合わせてゾンビと戦うという、モンスターホラー映画。
まあ何と言いますかタイトルから分かるとおりに、まんま「カウボーイ&エイリアン」の便乗作品って感じの映画ですな。
(原題も「COWBOYS&ZOMBIES」なので、ホントにまるっきりの便乗かと…)
中身の方も単なる安易なタイトルに負けず劣らずの、低予算の便乗もので『それ以上でも以下でもないという感じの映画』です。
お話とかは別に「カウボーイ&エイリアン」と似てるような部分は無いのですが、まあストーリーは『有って無いようなレベル』の内容。
基本的には、カウボーイとネイティブアメリカンの戦士が襲ってくるゾンビ軍団と戦うだけという感じなのですが、一応、キャラ立てをするために唐突に和解した2人が過去を語り合ったりするものの、その過去の話がメインのストーリーに絡んでくる訳でも無いのでなんとも中途半端な印象です。
ストーリーが適当だからといってアクションに見所があるかというとコレまたそうでもなく、ゾンビの襲撃シーンも割と淡々とした感じでパワー不足な印象。
ゾンビは割と大量に登場するのですが、主人公達が矢鱈と凄腕でゾンビの脳天を次々と撃ち抜いて殺していくので、襲撃シーンに迫力がなくて盛り上がりに欠けます。
特撮もかなりお粗末で、ゾンビのメイクも殆どが自主制作映画のようなレベル。
キャストの人数も少ないのか『お前、さっきも殺されただろ?』って言うようなゾンビが何度も登場したりするのは、まあご愛嬌と言ったところでしょう。
ぶっちゃけあまり誉めるべき部分も見当たらない作品ですが、お話のテンポは良くて途中であまり退屈するような部分が無いのは、まあまあ良い感じかな?
ただラストの、今まで思いっきり脇役だったキャラが唐突に主役のように登場するうえに、思いっきり投げっぱなしのグテグテの展開はどうにかならなかったものか…
総評としましては、B級というよりはD級ぐらいの『普通にツマんない便乗映画』という感じの作品ですね。
不快な程に酷い要素は無いのですが、基本的にあらゆる部分で出来がイマイチなうえに特にコレといった見所がある訳でも無いので、ただただ微妙としか言いようが無い映画です。
タイトルのインパクトはありますが中身の方はネタとしても弱いですし、観ておいても得をするような要素もありませんので、よほどゾンビ映画に飢えているとかってので無ければ『普通にスルーしてしまって問題ないタイトル』ではないかと…