NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「リトリート・アイランド」(55点/サスペンス)

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■■■「リトリート・アイランド」■■■
(55点/サスペンス)

 倦怠期の夫婦であるケイトとマーティンの夫妻は、休暇を誰にも他人と関わらずに過ごすためにブラックホーム島という大西洋の無人島を訪れる事となる。

 休暇を無人島のコテージで穏やかに過ごす夫妻だったが、発電機が故障しマーティンが怪我をしてしまうという事故が発生。
 島の管理人に連絡を取って迎えを寄越して貰おうとするが、事故の翌日になっても管理人は到着せず、代わりに血まみれの男性が倒れているのを発見する。

 男性は軍人で自分の事をジャックと名乗り、『島の外では致死性の高い危険な伝染病が大流行してパニックに陥っているせいで周囲と連絡が取れなくなっているため、伝染病から逃れるためにこの家から出るべきでは無い』と主張するが…



 謎の伝染病の影響で無人島に隔離されてしまった3人の男女の運命を巡る、シチュエーションスリラー映画。

 なんというかタイトルだけ聞いても何の映画なのかサッパリ分からない感じの作品(直訳すると『退却の島』って何だよ?)ですが、いわゆる監禁タイプのシチュエーションスリラー映画ですね。

 とある倦怠期の夫婦が外部と音信不通になった無人島で一人の軍人を助けるんだけど、軍人は『島の外には危険な伝染病が蔓延してるから、ここから出るな』と主張して監禁されてしまう…といった感じのお話です。

 当然ながら、主人公達は『軍人の言っている事はウソなのか本当なのか…』という事に疑問を抱いて、心理劇を中心にお話が進んで行くという展開です。

 退廃的な雰囲気や『微妙な緊張感』を感じさせる間の取り方はなかなか良い感じで、『倦怠期の夫婦もの』にお約束の夫婦の確執や不信感があったり…といった感じで、お話を膨らまそうとはしているのは上手い構成だと思うのですが、いかんせん舞台が『何も無い無人島』なのと登場人物が3人しか居ない事もあって、中盤あたりの展開はちょっとダレ気味。

 雰囲気の良さで間を保たせようとしては居るものの、『不審な男の正体は何者なのか?』という事や『謎の伝染病の話は真実なのか?』と言う件が、どちらも『差し迫った危機感』が感じられないために、いま一つ盛り上がりに欠けてしまうんですよね。
 かといって『倦怠期の夫婦の冷めた関係』ってのもそこまでシッカリと描かれている訳でもなく、ちょっと中途半端になってしまっている印象です。

 終盤は主人公夫妻が行動を起こしたり『意外な真実』が発覚したりと、まあまあ盛り上がるのですが、途中までのノリから『オチに向かっての展開がちょっと読めてしまう』のは残念な部分かなぁ?


 総評としましては、雰囲気や設定は悪くは無いのですがイマイチ盛り上がりきらない感じの『ちょっと退屈な印象を受けてしまうサスペンス映画』ですね。

 『退廃的なムード』や『微妙にストレスを感じるような心理劇』が好きな人ならばそこそこ楽しめるかもしれませんが、スピード感のある展開や緊張感のあるサスペンスを期待してると肩透かしを食らわされてしまうかも?

 そこまで悪くは無い作品なので、シチュエーションスリラーとかが好きであれば止める事はしませんが、そこまで推すほどの作品でも無いですので『気になっているならば、まあお好みで…』といった感じの一本でしょう。