NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ウェイク・ウッド ~蘇りの森~」(55点/オカルト)

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■■■「ウェイク・ウッド ~蘇りの森~」■■■
(55点/オカルト)

 事故で愛する娘を失ったパトリック夫妻は、その悲しみを忘れるために寂れた田舎町であるウェイク・ウッドという街へと引っ越しをする事となる。

 町で静かに暮らす夫妻だったが、ある日、この町に伝わる『3日間だけ死者を蘇らせる』という奇妙な秘術の存在を知った彼らは、娘に再び会いたいが為にその秘術の儀式を行う事となるが…



 死んだ娘を蘇らせるために禁断の秘術を行った夫妻を巡る運命を描いた、オカルトサスペンス映画。

 なんでも本作は、「ドラキュラ」やら「フランケンシュタイン」やらの古典ホラー映画で有名なハマーフィルムによるサスペンスホラーの最新作だそうで…というか、この会社ってまだホラー映画を作ってたんだという事に、ちょっと驚かされました。

 ホラー好きならば、なんとなく『どこかで聞いたような設定だな』と思うような作品ですが、まんま『女の子版の「ペットセメタリー」』みたいな感じのお話ですな。

 内容的には怖いんだけど物悲しい感じのストーリーで、序盤~中盤の死んだ娘を蘇らせて一緒に暮らすシーンの流れは、美しい映像表現も相まって観ていてちょっとウルっと来るものがあって、序盤の展開は非常に良く出来ています。

 映像の雰囲気なんかもなかなか良くて、現地住民たちの原始宗教っぱい儀式も「ウィッカーマン」みたいで不気味ですし、中盤までのノリも良い感じ。

 ただ中盤以降のホラー的な展開が、ちょっと微妙なのは残念なところ…

 とある原因から『蘇った娘が凶暴化して人間を襲うようになる』というお約束のパターンなのですが、凶暴化したあとも娘の雰囲気に全く変化が無くて普通に可愛いままなので、怖さがあまり感じられないのですよ。

 残虐シーンも何だか淡々としていて『外見とのギャップによる怖さ』を狙ったのかもしれませんが、単純に緊張感の無い展開になってしまっているのは残念なところ。
 この辺をもうちょっと上手く盛り上げる演出でもあれば、もっと良くなったと思うので非常に惜しいです。

 またお話そのものは、割とお約束的な展開故に可も不可も無い内容だったのですが、ラストの展開が若干弱かったのは気になった部分かな?
 最後のオチも、ちょっと蛇足だった気がします…

 あと序盤とかのお話は『いい話』的な展開なのに、恐怖シーンや残虐シーンが矢鱈とエグいというかグロいのはいかがな物なんでしょう…
 お話のノリと画面の絵作りとに物凄くギャップがあって、なんというかちょっと違和感を感じてしまいました。

 まあ、この辺の『微妙に噛み合ってない感じ』が、いかにも『B級ホラーっぽい』怖さを出しているといえば、その通りなんですけどね…


 総評としましては、全体としてはそこそこ面白い内容なんだけど、色々な部分で『微妙に物足りなさが残る作品』といった感じの映画ですね。

 全体的にコンパクトにまとまってて割と観るべき部分もあるのですが、ちょっと薄味というか不満の残る部分も多い印象。

 まあ、オカルト系のサスペンスホラーとしてはそれなりに良くできた作品ですし、「ペットセメタリー」とかそういう系のノリが好きな人であれば普通に楽しめる内容だと思いますので、気になっているならばチェックしておいても損は無い一本ではないでしょうか?