NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ピザボーイ 史上最凶のご注文」(60点/コメディ)

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■■■「ピザボーイ 史上最凶のご注文」■■■
(60点/コメディ)

 ピザ屋の店員であるニックは、ある日、ピザの配達と称して呼び出された廃工場でゴリラのマスクを付けた2人の男に拉致されてしまう。

 目を覚ました彼は爆弾を縛り付けたベストを着せられており、『爆発させられたくなければ10時間以内に銀行を襲って10万ドル奪って来い』と2人の男から脅迫される。

 命が惜しい彼はしぶしぶながらも誘拐犯の言うことを聞く事となり、親友であるチェットに助けを求めて2人で銀行を襲撃する事となるが…



 お調子者のお馬鹿な2人組が誘拐犯に体に爆弾を取り付けられて『なりゆきで銀行強盗を行う』という、クライムムービーをパロディ化したコメディ映画。

 ゾンビランド」のルーベン・フライシャー監督の新作に当たる作品で、「ゾンビランド」では『ゾンビ映画のお約束』をネタにしたパロディを見せてくれた訳ですが、本作では『バディ(相棒)ムービー』(リーサルウェポン等のコンビもの)のお約束やパロディっぽいものが含まれていたようなのですが、自分はその手の映画にはそこまで詳しくないため、残念ながらその辺のネタは良く分かりませんでしたよ。
 (逃走シーンで「ビバリーヒルズ・コップ」の主題歌が流るネタは、ちょっと笑ってしまいましたが…)

 まあそういう要素を抜きにしても、そこそこ良く出来たブラックユーモア系のコメディ映画ではあると思います。

 お話の流れとしては、2組のお馬鹿な2人組が主人公で『父親を殺して遺産を相続しようとした2人組』が、
父親を殺すための『殺し屋』を雇う資金を得る為に『別の2人組』を脅迫して銀行強盗をやらせようとする…


 というようなストーリーで、『どう考えてもいきあたりばったりの犯行計画で、成功しそうに無いだろ』というノリの設定から分かるとおりの、基本的にはアホなノリだけのお話ですね。

 2組の2人組の男達が主人公という辺りからして、『バディムービー』的なノリを意識してるのは分かるのですが、銀行強盗を行う主人公達の2人はともかく、主人公達を誘拐する誘拐犯の2人組がちょっと不快なレベルの考え無しのワガママっぷりで、今ひとつ魅力を感じられない設定なのは残念なところ。

 コメディとしてのテンポはそこそこで、序盤から中盤にかけての展開がちょっとダラダラしすぎて冗長さを感じさせるのは残念なところですが、中盤の銀行強盗のシーン以降は非常にテンポが良くて、その後の展開は一気に面白くなる印象。

 『お前ら、もうちょっとマジメにやれ!!』とツッコミを入れたくなるような『良い意味でのグテグテっぷり』と、イキオイだけでストーリーが展開していくようなノリの良さはなかなか良い感じです。

 ラストは『そんなオチで良いのかよ!?』とツッコミを入れたくなるような展開ですが、まあブラックなコメディとしては許せる範囲かなぁ?
 ただ、どう転んでも『主人公達が犯罪者になってしまっている』ので、若干スッキリとしない部分はあるんですよね。

 あと「ゾンビランド」と違ってパロディのネタがそこまで明確でないのも、ちょっと残念なところかも…


 総評としましては、まあ色々とツッコミどころはあるものの『そこそこ観れるレベルのコメディ映画』と言った感じでしょうか?

 ちょっとブラックなネタもあるので、そっちの方向性が嫌いだとやや厳しい部分はあるかもしれませんが、そうで無ければまあまあ楽しめる作品だと思いますよ。

 「ゾンビランド」に比べるとインパクトは弱いですが、そういうノリのコメディ映画が好きであれば『とりあえずチェックしておいても良いかも?』ってレベルの一本では無いでしょうか?