NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「リバイブ 死者蘇生」(45点/モンスター)

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■■■「リバイブ 死者蘇生」■■■
(45点/モンスター)

 不老不死の研究を行う優秀な医学生であるニコラスは、ある日、実験の副産物として死んだ筈のマウスを蘇生させる実験に成功する。

 しかしそんな矢先、休暇を山荘に過ごしに言った彼は、恋人のソフィアが溺死してしまうという事故に遭遇。

 悲しみに暮れるニコラスは、なんとかして彼女を蘇生させようとするが、生物が死の直前に発する『オキトシン』という物質が大量に必要な事から、行きずりの娼婦を殺害。

 その物質を殺害した死体から抽出する事によって彼女を蘇生させようとするが…



 死んだ恋人を蘇生させるために医学生が殺人を繰り返すという、サスペンスホラー映画。

 『恋人の死体を蘇生させるために別の人間を殺害する』という、ホラーの世界では割とありがちな『愛と狂気』を描いたタイプのサスペンスホラー映画ですね。

 ストーリー的にも、まあまあありがちな感じのお話で『最初は否応無しに行っていた犯罪が徐々にエスカレートしていき…』という展開や『蘇生した恋人が徐々に理性を失っていき…』という辺りも、あまりにもお約束な感じ。

 お約束を踏襲しているからといって退屈な内容という訳ではなく、ストーリーの構成やら序盤のキャラクターの立て方なんかはなかなかに上手くて、主人公が恋人を蘇生させようとする『動機付け』なんかも無理が無くて良い感じ。

 ただお話が全体的に淡々としており、あまり緊張感が無くて盛り上がりに欠ける印象なのは辛いところ。

 主人公にも復活した少女にも、そこまでの狂気が感じられずに『事態がなし崩しにダラダラと泥沼化していっている』という感じで、どうにもストーリーにメリハリが欠けます。

 また、主人公が熱狂的に恋人を生き返らせようとしている雰囲気も無く、殺人に対して罪の意識にさいなまれている感じもしないので、なんというか今ひとつ感情移入も出来ないんですよね。

 ちょっとだけ意外性を持たせた『終盤の展開』や『ラストのキレイな落とし方』はなかなか良かったと思うのですが、それ以外の部分がどうにも凡庸な感じになってしまっているのが惜しい…

 もう少し、主人公達の心の動きを丁寧に描いて『物悲しい感じのお話』に仕上げれていれば、もう少し高い評価を付けれるようなお話だったと思うんですけどねぇ。


 総評としましては、悪くは無い部分もあるものの総合的には『凡庸な印象を拭えないサスペンスホラー映画』って感じですかね?

 ツマんなくは無いのですが『コレと言った見所に欠ける』のが辛いところではあるので、TVで放映されてるのを観るって程度ならば、とりあえず後悔しないレベルかと…(まあ、元々が向こうのTV映画向けの作品のようですし…)

 どうしても観てみたいというのであれば止めるほどに酷い出来ではありませんが、敢えてプッシュするような要素もない映画ですので、『気になるのであればお好みで…』といった感じの一本でしょう。