NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ビッグハンマー・マサカー 血しぶきの狂宴」(55点/スラッシャー)

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■■■「ビッグハンマー・マサカー 血しぶきの狂宴」■■■
(55点/スラッシャー)

 巨大な廃工場を改造してパーティを企画することとなった9人の若者たちが、パーティの会場の準備をするために廃工場に集合する。

 しかし会場の設営を開始した彼らの前に3人組の獣のような姿をした男女が姿を現し、次々と仲間たちを殺害していき…



 巨大な鉄のハンマーを振り回して若者たちを殺してまわる殺人鬼の恐怖を描いた、スラッシャーホラー映画。

 いや、何といいますか良くも悪くも中身の無い映画ですな…
 廃工場に訪れた若者たちが正体不明の殺人鬼に次々と殺されていくという、ホントにただソレだけの内容のお話です。

 そのタイトルのとおり『巨大なハンマーを持った殺人鬼』が出現する映画なのですが、『バカ力で人間の体重ぐらいあるような巨大なスレッジハンマーランボーが2で振り回してたみたいな奴)を振り回して人間を叩き潰す殺人鬼』ってのは、意外と有りそうで無かったタイプの設定かも?

 とにかくこの殺人鬼の振り回すハンマーがバカでかくて『いくら力持ちでもそれを振り回すのは無茶だろ』って感じの武器なのですが、殴られた人間が何の比喩でもなく『ミンチのように叩き潰される』のはなかなかに痛快です。

 ただ殺人鬼が暴れだしてからの展開は割と迫力があって面白いのですが、序盤の展開が矢鱈と冗長でイマイチなのが残念なところ。

 主人公の若者たちは『どこのパンクロック集団だよ?』って感じのアホな格好をした集団で、実際に全く感情移入も出来ないようなアホさ加減なのですが、序盤は深い人間ドラマやサスペンスも全く無くて、こいつらがダラダラとアホな姿をさらして遊んでいるのを見せられるだけで、面白さが1ミリも感じられないのは辛い…
 (本作もそうですが、たまにこういったタイプの映画で『何の意味も無い若者たちがダラダラと遊んでいるだけのシーン』に異様に時間を割く作品があるのは、いったいなんなんでしょうか?)

 殺人鬼が出現した後にしても、若者たちが『仲間からはぐれたところを単独で殺されて仲間は全く気付いていない』というパターンなので、危機感が全く無くストーリー的に盛り上がりに欠けるのも微妙な感じですね。

 殺人鬼の殺害シーンは派手で良い感じなので、もうちょっとストーリー的にも盛り上がるような構成だった方が面白くなったと思うんですけどね。

 あと殺人鬼に関しても『素性も動機も一切が不明』なのは残念なところだなぁ…

 鉄工所跡が舞台なので『溶接マスクを被った大男の殺人鬼』ってのはまあ理解できるのですが、殺人鬼と一緒に居るグールみたいな姿になった2人のお姉ちゃんは何者なの?

 なんか中途半端にキャラが立ってるのに本編中で全く説明が無いので、なんかモヤモヤした気分になります。
 ほんの少しでも殺人鬼の『設定』を匂わせるような要素を仕込んでた方が、シッカリとキャラが立って良かったと思うのですが…


 総評としましては、佳作とまでは行かないものの『新しいタイプの殺人鬼』の登場する作品としては、『それなりに観るべき部分がある』と言えるスラッシャーホラー映画ではありますね。

 いわゆる『不死身の殺人鬼』が出現するタイプのスラッシャー映画が好きな人であれば、それなりに楽しめる映画ではあると思うので、そういうノリが好きであればチェックしておいても損は無い一本だと言えるでしょう。

 そこそこ面白い要素も多くて割と楽しめたのですが、お話の組み立てや殺人鬼や主人公たちのキャラ立てを含めて『あと一歩』な印象を感じさせる部分の多い、ちょっと勿体無い感じの作品でしたよ。