■■■「ヒドゥン」■■■
(35点/モンスター)
『寄生バエ』から抽出した物質を人間に投与する事で、依存症の治療を行う研究を行っていた女性精神科医であるスーザン博士が死去。
彼女の息子であるブライアンは、遺産相続のために友人達とともに母の遺した「希望の聖地」という名の山中にある研究施設を訪れる事となる。
施設を調査中に秘密の地下室への入り口を発見した彼らは、巨大な地下施設へと降りてみる事となるが、捜索中に何者かによって地上への扉を閉じられて地下室に閉じ込められてしまう。
他の脱出経路を探そうと捜索を続ける彼らだったが、その施設でブライアンの母親が恐るべき『人体実験』を行っていた事を知り…
寄生バエの抽出物質によって突然変異を起こした人間が怪物化して人間を襲うという、モンスターパニック映画。
「ヒドゥン」というと、カイル・マクラクランが主演した『宇宙人刑事の登場する佳作SFサスペンス映画』を思い出す人も多いと思いますが、その作品とは何の関わりも無い単なる『医療系サスペンス』の風味のモンスターホラー映画ですな。
(というかタイトルを見た時は、リメイクブームに乗って「ヒドゥン」がリメイクされたのかと思ったよ…)
お話の中身の方は、何と言うか単なる『地味なモンスター映画』と言う感じ。
ただ原題が「HIDDEN 3D」というタイトルが付いている辺り、もしかしたら元々は3D映画だったのかと思われます。
でも本編を通して見ても思いっきり低予算の作品なので、正直言って『3Dで見るほどの迫力のある映像』なんて全く無いですし、モンスターのデザインも口から触手を伸ばす以外は『単なる子供』という面白味も迫力も無い姿ですし、襲撃シーンも殆どが『犠牲者が一人芝居で死んでいく』(モンスターの姿が画面に映らない)タイプのイメージ映像ばかりですので、本気で『何のために3D映画にしようとしたのか』が全くの謎の作品ですな。
ただモンスターの襲撃シーンはショボいですが、本編の舞台となる地下施設の『古びた廃墟の様子』なんかは、なかなか雰囲気が出てて良い感じですし、映像センスとかはそこまで悪くないので、そういった部分ではそれなりに見るべき要素もある感じ。
また中盤までは、モンスターの襲撃シーンも地味なため冗長でひたすらダルい展開が続くのですが、終盤の展開は少しだけ意外性があってまあまあ面白かったかな?
これで、もう少し『主人公の葛藤』とか『親子の関係』とかが丁寧に描かれてたら、サスペンスとして盛り上がる部分もあったと思うのですが、主人公のキャラ立てが弱い事や、オチもアッサリしすぎで全く盛り上がらない辺りとか、お話の軸になる部分が弱くて『どうにも物足りなさの残る作品』でしたよ…
総評としましては、特にコレといった特徴や個性の無い『二線級のB級ホラー映画』といった感じの作品ですね。
一応は元が3D映画っぽいですから、そこまで壊滅的に低予算だったり観れないレベルだったりする事も無いのですが、敢えて本作に観る程の価値がある部分を見い出せるかと正直言って悩ましいところ。
まあダルい部分も多いですが全く楽しめないって事も無いですので、TVとかネット配信とかでタダで観れるとかならば、チェックしておいても良いって程度のレベルの作品では無いでしょうか?