NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「人喰いトンネル MANEATER-TUNNEL」(55点/サスペンス)

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■■■「人喰いトンネル MANEATER-TUNNEL」■■■
(55点/サスペンス)

 7年前に唐突に行方不明になった夫のダニエルの捜索を続けていたトリシアは、数年に渡る捜索を諦め新しい恋人と共に新しい生活を始めようとしていた。

 夫の死亡証明を出し引越しの準備を始めた彼女だったが、そんな彼女の元に7年間姿を消したまま、ようとして行方が知れなかった夫が全身が傷だらけの状態でふらりと帰ってくる。

 彼は衰弱し混乱したきった状態で警察の事情聴取に対して『下に居た』という意味不明の証言を行うが、静養の為に自宅へと帰された数日後、ダニエルの元に『巨大な虫のような怪物』が出現し、ダニエルを近所にある小さなトンネルの中に引きずり込むところを妹のキャリーが目撃し…



 行方不明者が続出する得体の知れない『トンネル』に隠された秘密にまつわる、都市伝説テイストのサスペンスホラー映画。

 その非常に『気味悪いテイスト』から『各国のホラー映画際や映画誌で絶賛された』というのがウリとなっている作品らしいのでちょっと期待して鑑賞してみたのですが、正直に言ってしまうと『まあこんなもんか?』という感じの作品ですな。

 設定やパッケージだけ見ると、なんとなく『都市伝説を題材にしたモンスターホラー』みたいな印象を受けますが、中身の方は評価されているとおりに『気味悪いテイスト』がメインの『雰囲気映画』といった感じの作品です。

 序盤から確かに薄気味の悪い演出が多くて、新しい生活を踏み出そうとしながらも『失踪した夫の幻覚』に悩まされ続ける妻や、閉塞感があって何かが起こりそうな気配をかもしだすトンネルの映像など、全体にただよう異様な雰囲気は良い感じ。

 ただ内容の方は、いかにも雰囲気映画らしく『お話がなかなか前に進まない』ような構成。
 まあ、サイコサスペンス的なテイストが強いのでそこまで退屈な印象は受けないのですが、『核心』に迫るまでがかなり長くて途中で事件らしい事件も殆ど起こらないので流石にちょっと冗長に感じる部分も…
 (というか『核心』というよりは、ストーリーの比重からすると『都市伝説ホラー』と言うより『主人公を囲む人間たち心理ドラマ』がメインと言っても良い感じの作品かも?)

 また雰囲気映画の宿命として『オチはきっと投げっぱなしになるんだろうなぁ…』ってのが途中で読めてしまうので、終盤はちょっとダレてしまうのは辛いですね。

 別に視聴者の想像に任せるような『投げっぱなしオチ』も嫌いじゃないのですが、それならそれで逆にもう少し『理不尽なオチ』や『衝撃的な展開』があっても良かったんじゃないかなぁ?
 悪くは無いんですが最後まで『気味悪いテイスト』だけに終始してしまっているせいで、観終わった後にあまり印象に残らない作品になってしまっているのが残念なところでしたよ…


 総評としましては、ストーリーの内容うんぬんはさておき不気味なテイストやら演出やらは悪くない感じの『そこそこ良く出来た雰囲気映画』って感じの作品ですね。

 サイコサスペンスとしての盛り上げ方や雰囲気やらは悪くないのですが、スッキリとしないお話が嫌いな人や盛り上がるような派手な要素が無いと満足できない人には、どうしても物足りなさの残ってしまうような映画かもしれません。
 (というか『雰囲気映画』としても印象がそこまで強くないので、個人的にはその部分も物足りなかったかも…)

 まあ物足りなさは残るものの総じて悪い映画では無いですし、その手の『雰囲気映画的な作品』が好きな人であればそこそこ楽しめるんじゃないかと思いますので、気になっているのであればチェックしておいても良い一本ではないでしょうか?