NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「パラノーマル・エンティティ4」(10点/オカルト)

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■■■「パラノーマル・エンティティ4」■■■
(10点/オカルト)

 1974年アミティビルという街でで長男が家族全員を殺害するという事件が発生。
 その1年後に、その家に引っ越してきたとある家族は相次ぐ怪奇現象に耐えかねてすぐに引越してしまう。

 それから32年後。
 元帰還兵のダグラスは、物件の価格の安さから不気味なウワサを知りつつも4人の家族と共にその家に移り住むこととなる。

 しかし、住宅を紹介してくれた不動産業者が突然死したり、引っ越しの業者が事故で階段から転落して死亡したりと、彼らが引越しを決めた直後から異常な事故が相次ぐ。
 また、引っ越し直後から異様な物音が聞こえたり、息子が趣味で撮影していたホームビデオカメラに奇妙な影が映ったりと、鍵をかけておいたはずの扉が勝手に開いたりと奇妙な現象が発生。

 息子のタイラーは怪奇現象の正体を突き止めるために、ハンディカメラで撮影をしつつ原因を探ろうとするが…



 『過去に惨殺事件あった有名な幽霊屋敷』に引っ越してくる事となった一家を襲う『恐るべき怪奇現象』を描いた、POV形式のオカルトホラー映画。

 アルバトロスから発売されている、パラノーマル・アクティビティ」シリーズのパクリである「パラノーマル・エンティティ」シリーズの第4弾に当たる作品です。

 今回も『POV(主観映像)形式で怪奇現象を撮影したもの』という設定になっていますが、4作目と言っても特に1作目から繋がりがある訳ではありません。

 というかそもそも1作目以外は、もともとシリーズ物ですら無い作品を日本で販売する際に勝手に『シリーズ物と銘打ってタイトルを付けているだけ』のようなので、関連性がある訳が無いんですが…
 (でも一応、製作会社とかの共通点はあるっぽい?)

 『かつて家族が惨殺されたアミティビルの幽霊屋敷』という設定で、冒頭に『事件の
1年後に引っ越してきたとある家族は、相次ぐ怪奇現象に耐えかねてすぐに引越してしまった』
という本編のストーリーとはあからさまに関係の無い解説があったりする辺り、いわゆる悪魔の棲む家(アミティビルホラー)」をモチーフとして作られた作品なんでしょうが…

 実際に本家の許可を取って作られた作品なのか勝手に設定のみを拝借したものなのかは不明。
 (というか、勝手に設定を使ってるだけの予感がギュンギュンするけど…)

 とまれ肝心の映画の中身の方は、なんというか「パラノーマル・エンティティ」シリーズらしい、安定したツマんなさって感じの作品ですな。

 1作目だけは割と面白かったのですが2作目以降は明らかに駄作なので、もはや何で『地雷の定番』みたいな感じのタイトルでシリーズを継続しているのかが不明なレベル。
 (まあ私のように、なんとなく『惰性でシリーズを借り続ける人』が居るからなんでしょうけど…)

 いわゆるPOV形式の低予算作品なのですが、特撮とか画像の加工とか『もうちょっとマジメにやれよ』とツッコミを入れたくなるような完成度。

 暗視カメラの映像が『どうみても普通の映像に緑のフィルターをかけただけ』だったりするのは『まあご愛嬌』って感じなのですが、幽霊とか映るシーンも画像に殆ど加工が行われてないので『いや、あなた普通の人ですよね?』って感じで写ってるだけだし…
 見せ場である筈の怪奇現象や残虐描写が行われるシーンでは、都合よくカメラの映像が乱れたり犠牲者がカメラからフレームアウトしたりとするというお約束な構成。

 まあ低予算なのは分かるのですが、ここまであからさまだともうちょっと『怖がらせるような工夫』をしろよと言いたくなります。

 ストーリーに関してもやっつけな感じで、住宅を紹介してくれた不動産業者が突然死したり、引っ越しの日に業者が事故で階段から転落して死亡したり、その翌日以降も1日に1人の単位で死人が出てるような勢いで、ここまで異常だと別に『怪奇現象を気にする』とか関係無くても即座に退去したくなるようなレベルでしょう。

 また、それだけの異常事態が相次いでいるのに『不安感』を描く描写が弱すぎるせいで緊張感が全く無く、登場人物も意外と落ち着き払っている印象なのでお話が全く盛り上がらない。

 意外と肝の据わっている家族という設定なのかと思いきや、前日までメチャクチャ平静を装っていたお父さんが、翌日には唐突にブチ切れて十字架を部屋中にならべてみたり、幽霊を相手に戦争ごっこを始めてみたり人物描写や心理描写が適当すぎます。
 (つーか、5日ぐらいでキレてノイローゼになるとかお父さんメンタル弱すぎだろ…)

 終盤の展開もやたら唐突で、前振りも無く『颯爽と幽霊が現れて家族を惨殺してまわる』って感じの展開で捻りも何もあったもんじゃないですし、ストーリーも説明不足で『「アミティビルホラー」というベースとなるお話があるから、後は適当に脳内補完してね』って感じの投げっぱなしっぷりなのは如何なものか?

 てっきり、おかしくなった父親が話の重要なファクターとなってくるのかと思いってたので、終盤のサイコスリラーっぽい展開は何だったのかと…


 総評としましては、何の冗談でも大げさな表現でもなく『恐ろしく退屈で面白味の無い映画』ですね。

 まあシリーズの微妙っぷりが大好きで、今回も『どうしても自分の目でどのぐらい微妙なのかを確認したい!』という奇特でドMな趣味を持っておられるのであれば、その堅い意志を尊重したいので止める事はいたしません。
 (逆に『あまりにもツマんなすぎて、そこそこ楽しめてしまう』ような部分も無くもないですので…)

 でもそうでなければ、人生の90分を無意味に消費したく無いのであれば『普通にスルーしてしまって問題ないレベルの作品』だと思いますよ。