■■■「247°F」■■■
(45点/サスペンス)
パーティのために叔父の持つ湖畔の山荘に遊びに訪れたイアンと、マイケル、ジェナ、レネの4人は、夜から始まるパーティに行く前に全員でサウナに入る事となる。
しかし唐突にサウナの扉が突然開かなくなり、イアン、ジェナ、レネの3人がサウナの中に閉じ込められてしまうという事故が発生。
彼らは酔ったマイケルが彼らを冗談で閉じ込めたのではないかと考え、なんとかして外部に助けを求めようとするが、暑さに耐えられなくなった彼らがサウナ室のドアにある小窓のガラスを壊してしまった事が、後に思わぬ事態を招く事となってしまうのだった…
最高温度が華氏247度(約120℃)になるサウナに閉じ込められてしまった若者たちの味わう恐怖を描いた、密室パニックもののシチュエーションスリラー映画。
お初にお目にかかる印象のグルジア製のパニック映画という事で、もっと共産圏っぽいトンガった内容なのかと期待して観たのですが、内容的には意外と『普通の低予算パニック映画』って感じの作品でした。
最近の流行の『実話を基にした物語』という奴ですが、『温度制御の効かないサウナに閉じ込められる』とか実際に自分が遭遇した場合を考えるとゾッとしない話ではありますが、映画として観てみるとなんとも地味な内容です。
お話の舞台の大半は『サウナの中』なので、基本的に大きな事件も無くて閉じ込められた三人の若者たちがダラダラと過ごしている(まあ暑さでヘバっているので当然ですが)のを観ているだけな感じ。
一応、お話があまり平坦にならないようにするために、サウナの温度センサーを止めるために配線をショートさせてみたりと脱出するための努力をしたり、ヒロインの周りの人間関係にまつわる心理サスペンスがあったりと色々と頑張っている部分は認めるのですが、流石に映画1本分の時間を引っ張れる程にはなって無いんですよね。
また終盤はちょっと盛り上がるのですが、逆に『いくらパニックに陥ったからといって、そんな行動は取らないだろ』って展開が多くて、ちょっと白けてしまうのが惜しいところかな?
ヒロインの『過去に遭遇した事故の経験』による閉所恐怖症の設定も中途半端すぎる印象なので、その辺をもう少し深く掘り下げて『ヒロインがトラウマを乗り越える』みたいな話にした方が、ドラマ的にも深みが出て良かったんじゃないかという気がします。
あと事故の原因を作った友達の1人が、本編中でひたすら酔ってるかラリってるだけで観ててかなりイライラさせられたので、あそこまでクズ扱いの描き方をする必要も無かった気がするのは自分だけ?
でも主人公達を助けようとするワンちゃんは、なかなか可愛くて良かったので、もうちょっと活躍させても良かったかも…
総評としましては、全般的に悪くは無い出来ではあるのですが、特にコレといって印象にも残るほどでもない程度の『地味なパニック映画』といった感じの作品ですね。
シチュエーションやアイデアは良いと思うのですが、アイデア倒れしてしまった感じの映画なので、面白くするために何か『もう一工夫』が欲しかった印象です。
まあ、オススメする程の作品では無いもののそこそこ観れるレベルの内容ではありますので、その手の作品が好きな人であれば衛星放送とかケーブルTV辺りで配信された際になら『チェックしておいても良いかも?』って程度の一本だと思いますよ。