NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ジンジャーデッドマン」(30点/スラッシャー)

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■■■「ジンジャーデッドマン」■■■
(30点/スラッシャー)

 レストランに入ったの強盗に父と兄を殺されたサラは、自分も殺されそうになるすんでのところを警察によって助けられる。

 強盗を行ったミラードという男は連続殺人の容疑で逮捕され死刑となるが、彼は死ぬ前に『地獄のどこから這い出して必ず復讐してやる』という不気味な捨て台詞を残す。


 それから2年後のある日、サラの経営するパン屋にジンジャーブレッドの粉が何者かから送りつけられて来る。
 彼女は何の疑いも無くジンジャーブレッドを焼くが、粉の中にミラードの遺灰が混ぜられていた事からジンジャーブレッドは恐るべき『ジンジャーデッドマン』となって復活し、人々を襲い始めるのだった…


 殺人鬼の霊が乗り移ったジンジャーブレッドが人間を襲うという、ちょっとトンデモ風味のスラッシャーホラー映画。

 と言っても、まずジンジャーブレッドってのが日本人からしたらあまり馴染みが無いのですが、どうやらクリスマスの時に食べる『ジンジャークッキー(人型のクッキー)』がでっかいパンで出来たもののようです。

 でもって、黒魔術のかかった『殺人鬼の遺灰』の入ったジンジャーブレッドを焼いたら『殺人鬼の霊が人型のパンに乗り移って蘇った』とか、って感じのお話な訳ですが、まあ早い話が『「チャイルド・プレイ」のジンジャーブレッド版』みたいな感じですな。
 (というか焼かれたパンが人型じゃなかったら、どうするつもりだったんだろう?)

 内容の方も、チャイルド・プレイ」の二番煎じ(というかレベル的には三番煎じぐらい)的なお話と言えば、なんとなくどんなノリか見当が付くかも?

 お話としては、パン工房の中に『殺人ジンジャーブレッド』が解き放たれて、ヒロインらの店員の命を狙うって感じの内容なんですが、なんというか特撮とか映像がビックリするほどショボい。

 なんか80年代の映画レベルの特撮なのですが、設定からして30年前ぐらいに流行ったような感じの設定ですし、古臭い映像のセンスや演出やBGMなんかも80年代っぽさを感じる作りなので、そういう方向を狙ってやってるのかも?

 ただ個人的にその演出が成功しているとはあまり思えない感じで、ぶっちゃけ単に今時の映画とは思えないレベルのショボいだけの作品になってる印象です。

 また方向性としては、『ジンジャーブレッドが人を殺す』というシュールなコメディホラーを狙ったのでしょうが、この『殺人ジンジャーブレッド』が今ひとつチャキチャキと人を殺してくれないために、どうにもお話が盛り上がらないのは辛いところ。

 一応、車で人を轢き殺したりブービートラップを仕掛けたりとか、それなりにバリエーションを持たせようと言う努力はしているのですが、全体的に見せ場の数が少ないのでイマイチ盛り上がらないんですよね。

 でも、『気絶させた人間の全身に体中にクリームを塗ってケーキのようにデコレーションする』ってのは、残虐行為を描きたいのか単に笑わせたいのか意味不明である意味で『監督の突き抜けたセンス』を見せられた気分でしたよ…

 まあ映画として描きたい方向性は分からなくは無いんですが、こういうトンデモな殺人鬼の映画は、もうちょっと基礎がシッカリしてるか、突き抜けたセンスを感じさせるものが無いと、ちょっと微妙かなぁ?

 あとパッケージイラストだと分かり難いですが、焼きあがった『殺人ジンジャーブレッド』の顔がどう見てもジャック・ニコルソンにしか見えないのには、ちょっと笑ってしまいました。
 (いやまあ、確かに『顔の怖い俳優』の代表格みたいな人だけど、この映画と関係ないだろ。(笑))


 総評としましては、タイトルやパッケージを見て受ける印象どおりの『一発ネタ的なトンデモ殺人鬼映画』で、それ以上でも以下でも無い作品です。

 あまり見所も無いような作品ですが、まあ最近では珍しい感じのお馬鹿系のタイトルではあるので、その手の映画に飢えているような人であれば、ネタ映画としてチェックしておくのもアリでは無いでしょうか?
 友達とかと一緒にツッコミを入れながら見ると、馬鹿馬鹿しくてそこそこ楽しめる作品かもしれません。

 まあ出来が微妙すぎて寒い空気になってしまう可能性もありますので、地雷を踏まされても泣かない覚悟のある人か、アホな映画はチェックしないと気がすまないという奇特な人のみにオススメしておきますよ。