NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ヘルレイザー:レベレーション」(25点/オカルト)

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■■■「ヘルレイザー:レベレーション」■■■
(25点/オカルト)

 抑圧された退屈な毎日を送っていたニコとスティーブンの2人は、自由と快楽を求めてメキシコへと旅行に出る。

 メキシコの酒場で不気味な浮浪者から『極限を超える絶頂』を味わえるという奇妙なパズルボックスを受け取った二人は、興味本位からそのパズルボックスの封印を解こうとするが…



 抑圧された生活から逃れようとした2人の男たちが『極限を超える絶頂』を味わえるという奇妙なパズルボックスを手に入れた事から恐るべき恐怖を味わうという、オカルトホラー映画。

 クライブ・バーカー原作のスプラッタパンクの代表作とも言えるヘルレイザー」シリーズの最新作。

 一応、シリーズの9作目に当たるお話なのですが、ぶっちゃけ最近の本シリーズは微妙な作品が多いので、全く期待せずに観てみたのですが…
 予想以上にガッカリな内容で『コリャ駄目だ』って感じのお話でしたよ。

 お話としては、メキシコ旅行中に死んだ恋人の足取りを追おうとする女性が、恋人が死ぬ直前に撮影したビデオを見るうちに奇妙な『パズルボックス』の存在を知り…といった感じで、割とサスペンス要素が強めな感じの内容。

 この恋人の残したビデオを見るシーンで、微妙に最近の流行のPOV的な演出を取り入れようとしみたりしている感じなのですが、その時点で既に『「ヘルレイザー」ってそういうシリーズじゃ無いだろ?』的な印象です。

 この構成のおかげで、お話が現在の時間軸と過去の時間軸を行き来しつつお話が進んでいくのですが、面白くなるというよりは単に『登場人物の人間関係が分かり難くなっている』以上の効果はあまり得られてない感じ…
 加えて、この構成の影響からか序盤~中盤の展開がとにかく地味で、どうにも盛り上がりに欠けます。

 終盤の謎解きが進んでからの展開はそこそこ盛り上がりますし、お話そのものもそこまで悪くないとは思うのですが、実質的に盛り上がるのは『ラストの20分程度』のみなので、そこまでの道のりが長すぎますよ。

 でもまあ作品のテーマやストーリー自体が、そこまで「ヘルレイザー」シリーズからブレてないのは悪くない部分かな?

 ストーリー以外の部分では『特撮の完成度の低さ』もかなり気になるレベルで、とにかく全体的に絵作りが安っぽいのも難点ですね。
 『残虐描写がショボい』のはともかくとしても『魔導士たちの外見がものすごくチャチに見える』のは、本シリーズとしてはちょっと致命的なレベルです。

 個人的には「ヘルレイザー」シリーズというと、内容よりも『独特の雰囲気』や『テーマ性』の方がウリとなっているシリーズだと思うので、もうちょっと映像センスとか見せ方はどうにかならんかったもんかなぁ…ってのが正直なところ。

 かてて加えて本作の何が最も不満かって言うと、魔導士のリーダー的存在である『ピンヘッド』役の俳優さんが今までのシリーズと変わってしまっており、この俳優さんがピンヘッドのイメージに恐ろしく合ってない事。

 なんか本作のピンヘッド役の人が『目がクリッとした妙に可愛らしい感じの外見』で威厳も何も全く無くて、何かピンヘッドというよりも「ドラゴンボール」のフリーザ様のような感じ…

 ぶっちゃけ、『ピンヘッドの中の人なんて誰がやっても変わらないだろ?』って気もしてたのですが、全くそんな事は無くて『中の人は非常に大事』だと言う事を思い知らされました。
 いや、今までのシリーズのダグ・ブラッドレイ氏は、ホントにハマり役だったんだなぁ。


 総評としましては、残念ながらシリーズを好きな人間としては誉められたものではなく『酷評をせざるを得ないようなレベル』の映画です。

 ストーリーとかに悪くない部分も無くは無いですが、悪い部分の方が遥かに多く目に付く印象で、不満点ばかりが挙がってしまうんですよね…

 6年ぶりの新作という事でシリーズを好きな人なら期待してしまうかもしれませんが、逆に微妙すぎるので『シリーズのファンならスルーしてしまっても良いぐらいの作品』かも?
 (特に「ピンヘッド」が大好きな人は、あまりのイメージの変わりっぷりにちょっとショックを受けちゃうかもしれませんよ…)