彼女のスポンサーである巨大企業のウェイトランド社によって建造された巨大宇宙船『プロメテウス号』により、17人のクルーと共に目的の星系へと向かう事となる。
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劇場にて「プロメテウス」を観てまいりました。
予告編とかCMで『人類の起源』がどうたらと言ってるので、てっきりJ・P・ホーガンの
「星を継ぐもの」みたいな『人類誕生の謎に迫るSFミステリー』的なお話かと思って観に行ったのですが…
「星を継ぐもの」みたいな『人類誕生の謎に迫るSFミステリー』的なお話かと思って観に行ったのですが…
実際の内容の方は、サスペンス色の濃い内容…というか普通に『ホラー映画』じゃないですか!!
いやいや、コレってあのCMだと絶対に『普通のSF映画』だと騙されて観に行く人が居ますよ…
一応、事前情報で同じリドリー・スコット監督の『「エイリアン」の前日譚的な話』ってのは聞いていたのですが、オフィシャルには監督が「エイリアン」との繋がりは否定しているという事で、てっきり『味付け程度』にネタが仕込まれているのかと思ってたのですが…
何の事は無い、思いっきり「エイリアン・ゼロ」に当たるようなエピソードのお話ですね。
「エイリアン」に出てきた巨人タイプの宇宙人やジョッキー(宇宙人が乗ってた砲台みたいなの)も出てきますし、モンスターデザインなんかもまんまギーガーですし、何故にコレが「エイリアン」と繋がりが無いと言い張るのか不思議なレベル。
その辺は何か『大人の事情』ってのがあるんですかね?
その辺は何か『大人の事情』ってのがあるんですかね?
お話としては『SFサスペンス』として観ると、何と言うかツッコミどころ満載な感じの内容ですね。
色々とツッコミを入れる要素はあるのですが何よりも気になったのは、何で『何兆ドルもかけて実現した探査プロジェクト』なのに、隊員の全員が『警戒心の無いアホばかり』なのかと…
一応『裏の目的』があるプロジェクトなので人選に別の目的があったのかもしれませんが、それにしてももう少しマシな人選があっただろう?
未知の惑星で呼吸が出来るからと言っていきなりヘルメットを脱いだり、正体不明の生物にいきなり手を触れようとするとか、隊員としての適正以前に正気の沙汰とは思えない行動が多すぎます。
未知の惑星で呼吸が出来るからと言っていきなりヘルメットを脱いだり、正体不明の生物にいきなり手を触れようとするとか、隊員としての適正以前に正気の沙汰とは思えない行動が多すぎます。
まあ、その辺のツッコミも『実際はSFじゃなくてホラー映画ですから』と言われてしまうと、『まあ、そんなもんかな?』と思ってしまうんですけどね。(笑)
実際のところ、その辺のツッコミどころを割り切ってホラー映画として観ると『まあまあ良く出来た作品』といった感じ。
ストーリーのツッコミどころは多いですが、映像の美しさやセンスの良さ、いかにもギーガー的なモンスターの不気味さも良い感じですし、お話のテンポもなかなか良くて2時間強の長尺の割には退屈するような冗長さも無いです。
ただ終盤の展開は、ちょっと唐突過ぎて『何じゃソリャ?』って感じになった部分も多かったですけどね…
(特に宇宙船のキャプテンたちは、捜索に直接参加せずに殆ど話を理解してなかった割には理解が早すぎだろ)
(特に宇宙船のキャプテンたちは、捜索に直接参加せずに殆ど話を理解してなかった割には理解が早すぎだろ)
あと個人的に不満があるとすれば、せっかく不気味なモンスターを登場させてるんだから、もうちょっとモンスターが暴れて活躍するシーンがあっても良かったかなぁ?という部分。
あとギーガー風の美術デザインの割には、画面全体が妙に明るめでイメージと違う部分があったので、映像的にはもうちょっと『ジメジメした感じ』でも良かったかも…
(CGを絡めると、どうしても『キレイ』になりすぎるのは難点ですね…)
(CGを絡めると、どうしても『キレイ』になりすぎるのは難点ですね…)
総評としましては、予告に騙されて観に行くと『かなり面食らわされるような内容』かもしれませんが、最初から「エイリアン・ゼロ」だと思って観に行くならば、全然アリな作品だと思います。
とりあえず、その手の『SF風味のモンスターホラー映画』とかが好きな人であれば、ごく普通に楽しめるレベルの一本だと思います。
ギーガーのデザインのモンスター映画ってのも久々ですので、そういった作品を待ち望んでいる人ならば是非。
ギーガーのデザインのモンスター映画ってのも久々ですので、そういった作品を待ち望んでいる人ならば是非。
逆に『ホラー耐性の無い人』がホラーだと思わずに観に行くと酷い目に合わされるかもしれませんので、その辺は要注意ですよ。(結構エグいシーンとかもあるので…)